2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25292214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
平澤 毅 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 室長 (00280610)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 文化財・文化遺産 / 文化財政策 / 国際研究者交流 / 韓国 / 台湾 |
Research Abstract |
本研究は、日本における名勝地保護に関するこれまでの調査研究実績を踏まえ、広く東アジア地域諸国等の現状を把握し、それらの保護及び周辺地域を含んだ保全に関する施策や実践等の比較研究を行うことにより、各国の名勝地保護の取組等の交流を促進し、名勝地概念とその実践を共有することを目的とする。 研究計画初年度に当たり、東アジアを中心とした名勝地の概念と保護・保全に関する包括的検証として、基礎的資料の収集・整理及び国内外の名勝地保護に関する調査等を実施した。 国内については、名勝地分野において重要な位置を占める文化財庭園の保護に関する検討を進めるとともに、現地調査等として国内において固有の特質を有する北海道及び沖縄県等の名勝地について実施した。 また、海外については、中国・韓国・台湾の名勝地及びその保護等に関する資料収集のほか、韓国及び台湾の名勝地に関する現地調査を実施するとともに当該国の専門家等にヒアリング調査を行い、今後の調査研究及び国際学術会議開催等について、関係する研究者等との協議打合せを進めた。特に保護(保存と活用)の考え方や措置の枠組みについては、それぞれの歴史や国情を反映した相違の概観を把握した。 なお、本研究内容の検討・普及等のため、京都造園懇談会例会において「文化的資産としての名勝地」(2013年5月16日、於:京都)、韓國傳統造景學會秋季學術論文發表會において「文化的資産としての名勝―東アジアに固有な遺産類型の包括的な研究と保護に向けて―」(2013年10月18日、於:韓国・江陵)、鳥取環境大学主催フォーラム「名勝としてのジオパーク」(2013年11月2日、於:鳥取)の講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、東アジアを中心とした名勝地の概念と保護・保全に関する包括的検証のため調査を行い、基本的情報の収集等を進めており、また、平成26年度に向けて国内主体の会合に関する調整等も進めることができたことから、概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度に引き続き、台湾についてはさらに調査を進めるとともに、中国に関しても現地調査及び関係機関・専門家等へのヒアリング調査を実施することとしており、また、秋期には、国内専門家を主体とした会合を開催するための準備を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力者等との協議に基づき、平成25年度は、現地調査等に重点を置きつつ、謝金等の支出を抑制し、海外の現地調査費等に充当した。また、公務実施や海外調査等に同行の研究協力者等の日程調整の関係から、期間を短縮したこともあり、一部次年度に送ることとした。 平成26年度に実施する計画の海外調査等に充当することとしている。
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