2013 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイドワクチン創製のための次世代型感作アレルゲン分子診断法の開発
Project/Area Number |
25292218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小埜 和久 広島大学, 先端物質科学研究科, 名誉教授 (10144883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 正次 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (90294537)
中の 三弥子 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (40397724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アレルギー / 分子診断法 |
Research Abstract |
日本人の約半数が何らかのアレルギー疾患に罹患していると推定されており、その抜本的対策の確立が喫緊の課題となっている。これまでに申請者らは、国際的に最も罹患率の高いダニアレルギーに対して、感作アレルゲンを網羅的に特定する分子診断法(CRD, component-resolved diagnosis)を提案すると共に、患者の感作アレルゲンプロファイルを解析してきた。更に本法には、従来法で非アトピー性と判定されてきた難治性患者に対する感作アレルゲンの特定にも威力を発揮しうる可能性など、新たな有効性も実証されつつある。本研究では、このプロトタイプCRD 法を更に信頼性の高い診断技術へとに進化させると共に、エビデンスの蓄積を通じて唯一の根治療法である免疫療法を確立するための基盤を整備することを目的としている。 本年度においては、我々が可溶性発現生産に成功している20種類のダニ主要抗原(Der f 1-Der f 11, Der f 13, Der f 14-Der f 18, Der f 20-Der f 22)、および我々が新たに同定した高反応性ダニアレルゲン分子種(Mag133, DFA22, DFA67)の計23種類の組換えダニアレルゲンに対するダニアレルギー患者の感作状況を検体数を増やして検証した。その結果、同組換えアレルゲンライブラリーを用いて検体ごとに異なる感作アレルゲン分子種の特定が充分に可能であること、本系では特に主要抗原Der f 2, Der f 5, Der f 21に対して高頻度な感作を認めること、また、これら3種の主要抗原に陰性の検体は、その他のマイナーアレルゲン分子種に対してそれぞれ固有の感作プロファイルを示すこと、が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々のダニアレルギー分子診断法の有用性を示唆するエビデンス蓄積が予定通りに進行しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き精製組換えアレルゲンの網羅的大量調製を進めつつ、ベンチレベルでのCRD解析症例の蓄積と有用性の検証を継続すると共に、得られた分子診断情報の臨床バイオマーカーとしての有用性有無に関する検討を加える予定である。また、組換えアレルゲンと天然型分子との免疫生化学的特性の差異検討や、プロトタイプCRD法の次世代CRD法への展開に係る要素技術の開発も合わせて推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プロトタイプCRD法の検討において、組換えアレルゲン分子種の生産と生成物の生理活性、および感作アレルゲンの検出におけるトラブルや不具合がいずれも想定より少なく、当該消耗品費に次年度使用額が生じたため。また、当初予定していた最新知見の収集などに係る出張計画を見合わせたため。 次年度使用額については、プロトタイプCRD法の更なる有用性検証とエビデンスの蓄積、ならびに次世代CRD法への応用展開に必要な要素技術の開発に係る消耗品費として使用する計画であるほか、必要に応じて情報収集旅費としても使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Component-resolved molecular diagnosis of house dust mite allergy using a comprehensive repertoire of recombinant mite allergens2013
Author(s)
Kishikawa Y., Kawamoto S., Nakahara H., Watakabe Y., Ota Y., Aki T., Asaoku Y., Hayashi T., Tanaka A., Ono K.
Organizer
EAACI-WAO Congress 2013
Place of Presentation
Milan, Italy
Year and Date
20130622-20130626