2013 Fiscal Year Annual Research Report
PPRコードを利用した細胞質雄性不稔の稔性回復因子の同定と創成
Project/Area Number |
25292219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 崇裕 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10464398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PPR / ミトコンドリア / 細胞質雄性不稔 / 植物 |
Research Abstract |
(1) Rfとして働く天然型PPR蛋白質の予測と同定 (a) 様々なアミノ酸多型を持つRf様遺伝子の機能検定 オグラ型細胞質ダイコンを材料に様々なアミノ酸多型を持つRf候補遺伝子の機能検定を行う。オグラ型細胞質のRfとして働くorf687遺伝子では、数箇所のアミノ酸多型でその機能性(稔性回復における優性もしくは劣性)が変化する。H25年度は様々なダイコン品種、数十種、を材料に供し、計算科学による予測を行い、CMS遺伝子との結合を計算科学的に予測した。また、研究代表者らはオグラ型細胞質ダイコン(CMS遺伝子orf125;Rf遺伝子orf687)では、16個のPPRモチーフを持つRf蛋白質が、ミトコンドリアCMS遺伝子であるorf125転写物の翻訳開始コドン直下に結合し、2次構造形成を促進することでorf125遺伝子を翻訳の段階で抑制することを生化学的な手法で明らかにした。 b) 未同定Rf遺伝子の同定 Rf遺伝子が未同定のCMS系統について、潜在的なRf-PPR遺伝子を推測し、遺伝学的な解析と合わせて、Rf遺伝子の高速同定法を確立する。H26年度はイネCMSを用いて、該当する核ゲノム領域中のPPR遺伝子を抽出し、潜在的なCMS遺伝子と考えられるorf352と配列特異的に結合するPPR遺伝子を予測した。 (2) PPR蛋白質の改変によるカスタムRfの創出 PPRコードを用いて、CMS遺伝子の発現を不活化するカスタムPPR蛋白質の構築を行う。最初の実験材料として、いまだRf遺伝子が同定されていないCW型細胞質イネのCMS原因遺伝子orf307に特異的に結合し、不活化するカスタムPPR蛋白質を構築する。H25年度は迅速な評価が可能な酵母モデル系(RNA・蛋白質の相互作用を検証するthree-hybrid法)を用いて、カスタムPPR蛋白質のRNA結合特性を解析したが、酵母実験系で再現性のある結果が得られなかった。異なるアッセイ系の確立が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H25年度に注力したカスタムPPR蛋白質のモデル実験系の確立において予想した結果が得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) Rfとして働く天然型PPR蛋白質の予測と同定、についてはH25年度の結果に立脚し、研究を進める。 (2) PPR蛋白質の改変によるカスタムRfの創出、については、ほ乳類培養細胞によるアッセイ系の確立、および試験管内での分子力学的な解析を行うとともに、植物個体内での効果を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末の不足な試薬購入に備えたため。 試薬の購入など、有効な予算執行を計画している。
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