2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25293026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 聡 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60333621)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 天然物 / 創薬化学 / 抗菌剤 / 薬剤耐性 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のターゲットいずれかからの新規抗菌剤シードの創出を目指すべく、ベースとなる天然物の合成法の確立、誘導体の設計と合成、生物活性評価を行った。 1.我々は、カプラザマイシン類のコア構造であるカプラゾールの全合成と、その構造改変を行ってきた。カプラザマイシン類が有するジアゼパノン部位は、化学的に安定ではないベータアシルオキシ部位を有し、ジアゼパノン部位の構築には多段階の工程を要していた。そこで化学的安定性の増強と、合成工程数の削減を目指し、炭素安定等価体であるカルバカプラザマイシンを設計・合成した。本化合物は天然物には若干劣るものの、良好なMraY阻害活性、抗MRSA,VRE活性を有し、黄色ブドウ球菌に対して、バンコマイシンとは明らかに違う細胞形態変化を及ぼすことがわかった。 さらに代謝安定性や細胞毒性の軽減を目指した誘導体として、新規ピペラジン型誘導体の設計し、aza-Prins-Ritter型の多成分反応を用いることで、その合成経路の確立を完了した。 2.ジアステレオ選択的なUgi 多成分反応を用いて、プラスバシン・キナルドペプチンの効率的合成法の開発を検討した。キナルドペプチンについてはその改良全合成を達成し、2本鎖DNA結合能を評価した。また各種誘導体を合成し、各種抗菌活性評価を検討した結果、グラム陽性菌に対してnMレベルの強力な活性を示すことを明らかにした。ヒト細胞に対する毒性を軽減することが課題である。プラスバシンについては、5員環イミンを用いたジアステレオ選択的なUgi反応と合成経路を精査し、天然物の完全保護体の合成を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究では、3つの天然物の全合成経路をすでに達成しており、誘導体合成とその生物活性評価へとステージが進んでいる。中には2次スクリーニングを終え、得られた構造活性相関情報から、新たな分子設計へとステージが進行しているものもある。最終年度へむけての基礎的データは蓄積されていると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
各種生物活性評価を指標としてFOS研究へとステージを移行し、いずれの化合物も、抗菌活性・細胞毒性・血中タンパク質の結合能に関する評価を行う。活性が保持した化合物に関しては、活性を向上すべくさらに誘導体を合成し、最終的には、4つのターゲットいずれかからの新規抗菌剤シードの創出を目指す。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に全額使用済みであるが、年度末に購入した物品の支払いが本報告書の作成時点で反映されていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり、平成26年度中に全て使用済みである。
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[Journal Article] Expansion of antibacterial spectrum of muraymycins toward Pseudomonas aeruginosa.2014
Author(s)
Takeoka, Yusuke; Tanino, Tetsuya; Sekiguchi, Mitsuaki; Yonezawa, Shuji; Sakagami, Masahiro; Takahashi, Fumiyo; Togame, Hiroko; Tanaka, Yoshikazu; Takemoto, Hiroshi; Ichikawa, Satoshi*; Matsuda. Akira.
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Journal Title
ACS Med. Chem. Lett.
Volume: 5
Pages: 556-560
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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