2013 Fiscal Year Annual Research Report
合理的プロドラッグ創製を可能にするヒトCESインビトロ・インビボ試験系の構築
Project/Area Number |
25293035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
千葉 寛 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40159033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
降幡 知巳 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80401008)
小林 カオル 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30255864)
今井 輝子 熊本大学, 薬学部, 教授 (70176478)
細川 正清 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (70181500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロドラッグ / CES / 予測 / 薬物代謝 |
Research Abstract |
本研究では、エステル型プロドラッグの開発に有用なin vivoおよびin vitroヒトCESモデルの開発を目的としている。本年度では、in vitroヒトCESモデルの開発を中心に進めた。 ノックアウトするCES1遺伝子には、CES1A1、1A3、1A1variantが存在する。そこでまず親細胞であるCaco2細胞のCES1分子種発現プロファイルをRT-PCRにより解析したところ、Caco-2細胞では主にCES1A1が発現していることが明らかとなった。また、ノックアウト効率を最大限上昇させ、かつ優れた消化管細胞機能を有するホスト細胞を得るため、複数のCaco-2細胞クローンを分取した。これらのうち、#24において単層膜形成が確認され、claudin-4、claudin-7およびoccludinの発現が認められたことから、本クローンをノックアウトのホスト細胞とした。ノックアウトについては、CES1A1遺伝子を標的としたzinc finger necleaseを導入し、Caco2よりも遺伝子導入効率・相同組み換え効率の高いヒト肝がん細胞を用いてその機能検証をおこなっている。また、作製したCES1ノックアウトCaco-2細胞にCES2遺伝子を導入するため、CES2 cDNAのクローニングをおこなった。さらにCES1機能とCES2機能の分別解析を可能とする実験系の確立もおこなった。 一方、in vivoヒトCESモデルの構築について、研究協力者はより高効率な遺伝子クラスターの導入を可能とするTALEN/CRISPERの導入を進めている。この最新技術を用いることにより、in vivoヒトCESモデル動物の構築が飛躍的に促進されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は主にin vitroヒトCESモデル構築に向けた検討を進め、予想される複数の実験上困難な点について(ホスト細胞の選択・遺伝子導入最適化・CES1/CES2機能の分別解析等)、種々の検討と検証を要したものの、目処をつけることができた。効率的なヒトモデル動物作成のための新規遺伝子改変技術導入にも順調な進展が認められている。また、研究進捗状況確認および対応のための協議も複数回おこなってきており、研究者間の連携も取れている。したがって、目立った研究業績には至っていないものの平成26年度・平成27年度へと進むにつれ、研究の加速度的な進展が期待できると考えている。以上のことから、現在までの達成度を(2)おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の主な推進方策は、前年度までに決定したホストCaco2細胞に、最適化した条件を用いてCES1A1ノックアウト用zinc finger nucleaseを導入することによりCES1ノックアウトCaco2細胞(CES1-KO/Caco2)を完成させることである。CES1-KO/Caco2のCES1およびCES2機能は、前年度までに確立した分別解析手法を用いて検討をおこなう。また、消化管上皮細胞としての機能については、密着結合タンパク質発現解析、経上皮細胞電気抵抗値計測やマンニトール透過性試験、トランスポーター機能解析などを用いて検討をおこなう予定であるが、これら手技については既に確立済みである。これと並行して、CES1-KO/Caco2にCES2 cDNAを導入して、ヒトin vivo小腸に匹敵するCES2の発現を目指す。さらに、この細胞とヒト肝CES2発現細胞(CES1ノックアウト検証用に使用)を用いて、エステル型プロドラッグ活性化における小腸・肝CES2の役割の差異を明らかとする。一方、in vivo ヒトCESモデル構築については、新たな遺伝子改変技術に応じてまずはCes遺伝子クラスターのノックアウトマウスの作製から取り掛かる。
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Research Products
(3 results)