2014 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームを介した新しい酸化ストレス応答機構の解析
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25293064
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 健 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30344592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / Nrf2 / リボソーム / GCN1 / HO-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.eIF2α-ATF4経路とNrf2経路のクロストークが酸化ストレス応答に果たす役割の解析--- 昨年度までの解析により、Nrf2とATF4の協調作用によるxCTの発現誘導がプロテアソーム阻害による毒性効果に対して防御的に働くことが明らかになった。引き続き解析すると、xCTの阻害剤であるサルファサラジンやCPGはプロテアソーム阻害剤の毒性を増強することが明らかになった。また、Nrf2とATF4との協調作用は、xCTのみではなく、神経栄養因子であるNGF、グルタチオン合成酵素GCLCなどの他の遺伝子発現においても観察されることを明らかになった。また、Nrf2とATF4の相互作用に必要なドメインを明らかにした。 2.GCN1L1が酸化ストレス応答に果たす役割の培養細胞およびマウス個体レベルでの解析--- 膀胱癌細胞T-24やグリオーマ細胞U373MGにおいてGCN1L1ノックダウンは酸化ストレス状態下でのHO-1タンパク質の発現をHO-1 mRNAの有意な減少を伴わずに減弱することが明らかになった。これはグリオーマ細胞ではAKTの活性には依存していなかった。一方、GCN1L1の個体レベルでの機能を解析するためにこれまでGCN1L1ノックアウトマウスの作成をUCデービス校KOMPプロジェクトのES細胞を用いて行ったが作成は失敗に終わった。そこで、筑波大学においてCRSPR/Cas9の系を用いてノックアウトマウスの作成を行った。現在ヘテロノックアウトマウスの作成まで進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GCN1L1がHO-1タンパク質の酸化ストレス状態下での発現を制御していることが明らかになった。また、作成が滞っていたGCN1L1 KOマウスの作成は、CRSPR/Cas9の系を導入することによって順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
GCN1L1のKOマウスの作成が進むことが予想されるので、KOマウスのフェノタイプを解析するとともに、KOマウスから胎児期線維芽細胞を作成するなどしてGCN1L1の分子機構解析のための細胞を作成する。
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Research Products
(9 results)