2015 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームを介した新しい酸化ストレス応答機構の解析
Project/Area Number |
25293064
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 健 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30344592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GCN1 / Nrf2 / リボソーム / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.GCN1L1が酸化ストレス防御に果たす役割の個体レベルでの検討 筑波大との共同研究によりCRSP-Cas9を用いてGCN1L1ノックアウト(KO)マウスを作成した。GCN1L1 KOマウスは、出生直後に肺胞虚脱のため呼吸不全により致死であった。胎児期繊維芽細胞(MEF)を作成して解析すると、GCN1L1 KOマウスでは酸素消費量が増大している傾向が認められ、細胞あたりのミトコンドリアDNA量が低下していることから何らかのネルギー代謝異常が存在することが示唆された。 2.eIF2a-ATF4経路とNrf2経路のクロストークが酸化ストレス応答に果たす役割の検討 アストロサイトU373MG細胞でのカルノシン酸によるATF4の活性化には、eIF2aキナーゼであるHRIが関与することを明らかにした。また、アストロサイトU373MG細胞において、Nrf2の転写共役因子であるJDP2がATF4の活性化によって誘導されることを明らかにした。これらの知見からカルノシン酸によって誘導されたeIF2a-ATF4経路とNrf2経路の協調作用にはNrf2とATF4の直接的な相互作用ばかりではなく複数の間接的な経路が関与していることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筑波大学との共同研究により、無事GCN1L1 KOマウスの作成に成功したことで、研究の進展が期待できる。また、GCN1L1 KOマウスからMEFが樹立できたので、レスキュー法によるGCN1L1のドメイン機能解析も実施可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、GCN1L1 KOのコンディショナルKOマウスの作成を行っているのでそれを加速させることが一番重要なことと考える。GCN1L1 KOマウスのフェノタイプを詳細に解析し、レスキュー実験を急ぐ予定である。
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