2014 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素シグナルによる精子幹細胞自己複製制御機構の解明
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25293067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30322770)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精子形成 / 活性酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究において精子幹細胞の自己複製分裂にNox1遺伝子が関与することを明らかにした。本年度においては精子幹細胞の自己複製因子であるglial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)およびfibroblast growth factor 2 (FGF2)による刺激が培養精子幹細胞であるgermline stem (GS)細胞におけるreactive oxygen species (ROS)の発生を行う際にNox1遺伝子の発現がどのように変化するかを解析した。Real time polymerase chain reaction (PCR)による遺伝子発現量の解析を行ったところ、当初の予想とは異なりNox1遺伝子の発現はROSの発生が亢進する際に逆に低下していることが明らかになった。 更にNox1遺伝子の発現を異なった発達段階の精巣においてreal-time PCRにより調べたところ、Nox1は精原細胞の増殖が活発に行われている生後10日齢においては比較的発現レベルが低いことが分かった。これらの結果はNox1遺伝子以外の分子がROSの産生に関与していることを示唆していると考えられる。 上記の実験に加えて、我々はGS細胞の増殖刺激を行う際にGDNFおよびFGF2を除去した際には細胞分裂の速度が顕著に低下していることも明らかにした。この結果から我々はGS細胞のROSの発生タイミングは自己複製因子による刺激直後に強いこともフローサイトメトリーにより判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性酸素がNox1以外の分子によっても発生し、それが精子幹細胞の自己複製を促進している可能性を示す証拠が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に記載されている残りの実験についても現在進行中であり、Nox1以外にROSの発生に関与する遺伝子の同定を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
当初必要であると見込まれたマウスの購入維持費が実際には予想よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度でのマウス維持費として充当する予定。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Induction of primordial germ cell-like cells from mouse embryonic stem cells by EKR signal inhibition.2014
Author(s)
Kimura T, Kaga Y, Ohta H, Odamoto M, Sekita Y, Li K, Yamano N, Fujikawa K, Isotani A, Sasaki N, Toyoda M, Hayashi K, Okabe M, Shinohara T, Saitou M, Nakano, T.
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Journal Title
Stem Cells
Volume: 32
Pages: 2668-2678
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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