2016 Fiscal Year Annual Research Report
SNAREタンパク質の品質管理、膜挿入、膜融合の統合的理解
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25293071
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
匂坂 敏朗 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80359843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰憲 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30467659)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小胞輸送 / SNAREタンパク質 / 品質管理 / 膜挿入 / 膜融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞輸送は神経伝達物質の放出のみならず、ホルモンや消化酵素、血漿タンパクの分泌、ホルモンや細胞増殖因子の取り込みなど種々の生命現象に極めて重要な役割を果たしている。全ての小胞輸送はテイルアンカー型タンパク質であるSNAREタンパク質により規定されている。これまで、私共は、SNAREタンパク質を小胞体膜に挿入する膜挿入装置CAML複合体を発見している。SNAREタンパク質の一つにSNAREモチーフを持たないC末端側に複数の膜貫通領域をもつ膜タンパク質Sec22Cがある。CAML複合体がSec22Cの膜挿入を行っているかは不明である。Sec22Cには膜貫通領域の数が異なるアイソフォームがある。そこで、本年度は、Sec22Cの膜貫通領域の数による細胞内局在を解析し、以下の結果を得た。 1)1つあるいは2つの膜貫通領域を持つSec22Cは小胞体に局在し、4つの膜貫通領域を持つSec22Cはシスゴルジに局在した。 2)4つの膜貫通領域のみでシスゴルジに局在した。 3)4つの膜貫通領域に結合し、2つの膜貫通領域に結合しないタンパク質として、ARF4を同定した。 4)ARF4をノックダウンすると、4つの膜貫通領域のシスゴルジへの局在が減少した。 これらのことから、C末端側の膜貫通領域の数による膜タンパク質の細胞内局在化機構の存在を明らかにすることができた。このように本年度は、SNAREモチーフを持たないSNAREタンパク質の膜局在化機構について当初の計画とおりの成果をあげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SNAREモチーフを持たないSNAREタンパク質Sec22Cの膜局在化機構について解析が進み、C末端側の膜貫通領域の数による膜タンパク質の細胞内局在化機構の存在を明らかにしたことから、おおむね順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
ARF4によるSec22Cの細胞内局在化機構の分子メカニズムを明らかにする。Sec22Cの細胞内局在化機構と協調して働くと考えられる Sec22Cの膜挿入装置と品質管理機構の分子実体を明らかにする。明らかにした分子実体をもとに、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを作製、駆使することで、SNAREモチーフを持たないSNAREタンパク質 Sec22Cの生体内機能と品質管理機構の生理的意義を解明する。
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Remarks |
神戸大学大学院医学研究科 生理学・細胞生物学講座 膜動態学分野 http://www.med.kobe-u.ac.jp/membrd/
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[Journal Article] Kif14 overexpression accelerates murine retinoblastoma development.2016
Author(s)
O'Hare, M., Shadmand, M., Sulaiman, R.S., Sishtla, K., Sakisaka, T., and Corson, T.W.
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Journal Title
Int. J. Cancer.
Volume: 139巻8号
Pages: 1752-1758
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research