2014 Fiscal Year Annual Research Report
RhoJによる内皮細胞運動と血管網パターン形成の制御機構
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25293078
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
植村 明嘉 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30373278)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | RhoJ / 血管内皮細胞 / VEGF / VEGFR2 / Sema3E / PlexinD1 / 網膜 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は血管内皮細胞におけるRhoJのシグナル伝達機構を解析した。血管内皮細胞では活性型(GTP結合型)RhoJがPlexinD1のRho-binding domainに結合するが、Sema3EリガンドがPlexinD1受容体に結合すると、RhoJがPlexinD1から遊離してアクチン脱重合を誘導することが明らかとなった。一方、活性型RhoJは、VEGF刺激時におけるVEGFR2-PlexinD1複合受容体の形成を媒介して、MAPキナーゼ経路やPI3キナーゼ経路などの下流シグナルを活性化することを明らかにした。さらに血管内皮細胞運動において、RhoJはVEGFによる遊走促進、Sema3Eによる遊走阻害のいずれも制御することを明らかにした。RhoJ遺伝子欠損マウスを用いた虚血網膜症モデルでは異常血管新生が減少することから、RhoJが網膜血管新生病に対する新たな創薬標的分子となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、血管内皮細胞におけるRhoJシグナルの細胞分子生物学的解析を実施し、RhoJによる内皮細胞運動の制御機構を明らかにした。また、RhoJ-KOマウスにて虚血性網膜症モデルを作成し、病的血管新生におけるRhoJの役割を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、タイムラプス撮影技術を用いてRhoJによる血管網自己組織化の制御機構を解明するとともに、RhoJ が網膜血管新生病に対する創薬標的分子となりうる可能性について、さらに検証する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた研究は、補助金分のみで実施できたため、平成26年度基金分は全額、平成27年度に使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は主に物品費の購入および人件費に充当する。
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Research Products
(5 results)