2014 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス応答因子ATF6βによる生体機能制御とその破綻による疾患発症の解明
Project/Area Number |
25293080
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
親泊 政一 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 教授 (90502534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親泊 美帆 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 特任助教 (00596158)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子病態学 / 小胞体ストレス / ATF6 |
Outline of Annual Research Achievements |
前度に得られた結果を基にして、マイクロアレイを用いた網羅的解析によるATF6βによる遺伝子発現制御機構の解明を以下の点で行った。 1. ATF6βで制御されるmRNAとmiRNAの同定: ATF6β特有の生理的・病的表現型を示したサンプルからRNAを抽出してマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析を行い、ATF6βKOをWTとATF6αKOマウスを比較することで、ATF6βで制御されるmRNAとmiRNAを同定し、定量的RT-PCRで確認を行った。 2. ATF6βで制御されるmiRNAとその標的mRNAの同定: 哺乳類のmiRNAは翻訳抑制よりも主としてmRNA分解により制御されることが明らかになってきた(Nature (2010) 466: 835-840)ため、TargetScanを用いてATF6βで制御されるmiRNAの標的mRNAを予測し、実際にATF6βで制御されたmRNAの中から標的mRNAの絞り込みを行った。さらに同定したmiRNAを過剰発現あるいはデコイにより機能阻害で標的遺伝子の発現が制御されるかを、定量的RT-PCRで確認した。 3. ATF6βで制御されるmiRNAとmRNAによる機能制御の解析:ATF6βで制御されるmRNAをGO解析することでATF6βにより制御される遺伝子発現の意味とさらにその中でmiRNAを介した制御の割合と意味についての仮説を立てた。前年度で行った機能解析の実験系において、仮説の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウスを用いた網羅的な遺伝子発現解析は順調に進んでいる。しかしながら前年度からのノックアウスマウスの繁殖率の悪さが、ATF6βの生理的意義の個体レベルでの機能解析に遅れて生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、小胞体ストレス応答を制御する転写因子であるATF6βに焦点を絞り、非古典的小胞体ストレス応答での生体機能制御とその破綻による疾患発症を解明して、先端医療開発の基盤形成を目的としている。今年度に得られた解析結果を基に、前年度に引き続きATF6αとATF6βノックアウトマウスの比較解析を行い、ATF6βによる遺伝子発現ネットワークの全容とその制御の分子機構の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
予定のATF6βノックアウトマウスの産出率が芳しくなく、計画していた計画の実施に遅れが生じて使用額より下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析の使用する試薬に充てる。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Long-term low carbohydrate diet leads to deleterious metabolic manifestations in diabetic mice.2014
Author(s)
Handa K, Inukai K, Onuma H, Kudo A, Nakagawa F, Tsugawa K, Kitahara A, Moriya R, Takahashi K, Sumitani Y, Hosaka T, Kawakami H, Oyadomari S, Ishida H.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 9
Pages: e104948
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Activating Transcription Factor 6α Is Required for the Vasopressin Neuron System to Maintain Water Balance under Dehydration in Male Mice.2014
Author(s)
Azuma Y, Hagiwara D, Lu W, Suga H, Goto M, Banno R, Sugimura Y, Oyadomari S, Mori K, Shiota A, Asai N, Takahashi M, Oiso Y, Arima H.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 155
Pages: 4905-4914
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 飽和脂肪酸による膵β細胞の小胞体膜の組成変化は、PERK経路活性化を遷延させ翻訳抑制を介してインスリン分泌を低下させる2014
Author(s)
倉橋清衛, 森智子, 宮本千伸, 津川和江, 親泊美帆, 高原一菜, 佐藤亮祐, 木村千寿子, 三宅雅人, 松本俊夫, 親泊政一
Organizer
第9回小胞体ストレス研究会
Place of Presentation
徳島大学(徳島県・徳島市)
Year and Date
2014-07-04
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[Presentation] 第9回小胞体ストレス研究会2014
Author(s)
佐藤亮祐, 三宅雅人, 松尾顕, 張君, 谷内秀輔, 倉橋清衛, 高原一菜, 久永哲, 西良浩一, 親泊政一
Organizer
第9回小胞体ストレス研究会
Place of Presentation
徳島大学(徳島県・徳島市)
Year and Date
2014-07-04
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[Presentation] 飽和脂肪酸は膵β細胞の小胞体膜の組成を変化させ、PERK経路の活性化による翻訳抑制を介してインスリン分泌を低下させる2014
Author(s)
倉橋清衛, 森智子, 宮本千伸, 津川和江,三浦直子, 親泊美帆, 野村明利, 高原一菜,佐藤亮祐, 山下裕紀子, 木村千寿子, 三宅雅人, 松本俊夫, 親泊政一
Organizer
第57回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府・大阪市)
Year and Date
2014-05-22