2014 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1感染防御機構破綻に伴うATL発症機構の解明
Project/Area Number |
25293081
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
森下 和広 宮崎大学, 医学部, 教授 (80260321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 加珠子(中島加珠子) 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00533209)
西片 一朗 宮崎大学, 医学部, 助教 (50253844)
谷脇 雅史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80163640)
中畑 新吾 宮崎大学, 医学部, 助教 (80437938)
市川 朝永 宮崎大学, 医学部, 助教 (80586230)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HTLV-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) NDRG2:NDRG2がPTEN結合タンパク質としてPTENC末端の脱リン酸化に関与し、PI3K/AKT情報伝達系を負に制御していることを同定 (Nature Comm 2014)、今回NF-kB情報伝達系に関して検討し、AKT活性化と、NDRG2発NIK結合タンパク質としてNIK活性抑制に働くが、NDRG2発現低下に伴うNIKのリン酸化亢進がNF-kB活性化に関わる事を同定した(Scientific reports論文投稿中)。2) HTLV-1感染によるNDRG2のメチル化機構の解明:。HTLV-1 Taxからの情報はEZH2等のEPCメチル化を促進し、その一つのターゲットとしてNDRG2が存在していた(論文作成中)。(3)T細胞分化・ATL発症に伴うBCL11B異常発現解析 HTLV-1TaxはBCL11Bの発現抑制を行っており、発現パターンの以上を伴っていた。そこで異常BCL11Bの異常を確認するために、二種類のTGマウスを作製し、白血病発症機構を検討している(4)HTLV-1感染とATL接着因子TSLC1遺伝子の過剰発現機構:TSLCI高発現機構の解析のため、プロモーターアッセイによりp47 E3 ligase発現低下がNF-kB活性化に繋がっていることが分かってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの結果をまとめ、NDRG2の機能解析としてNature Commに2014年に発表した。さらに機能解析が進展し、また、HTLV-1感染による防御機構が 感染のターゲットとしてNDRG2が存在していたことがわかり論文作成中である。この分子機構が明らかになってきたことで、HTLV-1感染に対する細胞内での防御機構としてのNDRG2の重要な役割と、慢性炎症がどのような影響を細胞内に与えるのか、その分子機構がわかってきたことで、将来的な治療法の開発につなげたい。また、HTLV-1TaxはBCL11Bの発現抑制を行っており、発現パターンの以上を伴っていた。そこで異常BCL11Bの異常を確認するために、二種類のTGマウスを作製し、白血病発症機構を検討している。この発見はBCl11Bの新たな機能の発見に格る、重要な発見であり、さらなる分子機構を明らかにする必要がある。さらにTSLCI高発現機構の解析のため、プロモーターアッセイによりp47 E3 ligase発現低下がNF-kB活性化に繋がっていることが分かってきた。TSLC1はATLのマーカーであり、なぜATL細胞の中で高発現しているのか全くわかっていなかった。それがやはりHTLV-1感染に関係しており、NDRG2の発現低下、NFkB活性がその引き金の一つになっていることから、TSLC1の働きを抑える、発現を抑えることが重要な鍵となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)NDRG2の機能解析NDRG2の新たな機構を検討するため、NDRG2/PTEN結合タンパク質を網羅的に質量分析計で測定し、検討する。これらのタンパク質との結合と、NDRG2の機能を明らかにし、PTEN/NDRG2の情報伝達系を明らかにする。またPTENのキナーゼ候補として、新たにserine/threonine kinaseを同定している。この情報伝達系についても、現在検討中であり、ATLにおける新しい制御機構を明らかにする予定である。2) HTLV-1感染によるNDRG2のメチル化機構の解明:HTLV-1感染は、リンパ球の中で持続感染しており、HTLV-1 Taxからの情報はEZH2等のEPCメチル化を促進し、その一つのターゲットとしてNDRG2が存在していた。HTLV-1感染に対する細胞内での防御機構としてのNDRG2の重要な役割と、慢性炎症がどのような影響を細胞内に与えるのか、その分子機構がわかってきたことで、将来的な治療法の開発につなげたい。(3)T細胞分化・ATL発症に伴うBCL11B異常発現解析:HTLV-1TaxはBCL11Bの発現抑制を行っており、発現パターンの以上を伴っていた。そこで異常BCL11Bの異常を確認するために、二種類のTGマウスを作製し、白血病発症機構を検討中であり、またHBZ TAXの影響を検討する。BCL11B結合タンパク質の網羅的解析、発現アレイ解析を行う予定で進めている。(4) HTLV-1感染とATL接着因子TSLC1遺伝子の過剰発現機構::TSLCI高発現機構の解析のため、プロモーターアッセイによりp47 E3 ligase発現低下がNF-kB活性化に繋がっていることが分かってきた。本年度中に論文作成投稿を急ぎ、かつ、この結合部位を標的とした治療法の開発を行う。特異的PIPを作成し、その検討を進めている。
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Causes of Carryover |
ATL動物モデルマウスの実験開発が遅れており、動物使用実験のための費用が3年目で必要となったため、2年目の実験計画を一部変更した。此の実験には質量分析計を使った網羅的結合タンパク質の同定と、遺伝子アレイを用いた網羅的遺伝子発現解析も同時に行うため、これらの費用も含まれている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物センターでの飼育費用、遺伝子機能を調べるための遺伝子発現アレイの費用と解析実験、ならびに質量分析計の使用費並びに解析費、それに伴う、分子生物学的実験と細胞培養実験の消耗品に当てる。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Increased plasma lactoferrin levels in leucocytapheresis therapy in patients with rheumatoid arthritis.2014
Author(s)
4.Miyauchi S, Umekita K, Hidaka T, Umeki K, Aratake Y, Takahashi N, Sawaguchi A, Nakatake A, Morinaga I, Morishita K, Okayama A.
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Journal Title
Rheumatology (Oxford).
Volume: 53
Pages: 1966-72
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Development of a complete human anti-human transferrin receptor C antibody as a novel marker of oral dysplasia and oral cancer.2014
Author(s)
5.Nagai K, Nakahata S, Shimosaki S, Tamura T, Kondo Y, Baba T, Taki T, Taniwaki M, Kurosawa G, Sudo Y, Okada S, Sakoda S, Morishita K
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Journal Title
Cancer Med.
Volume: 3
Pages: 1085-99
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] dentification of a bioactive compound against adult T-cell leukemia from bitter gourd seeds.2014
Author(s)
6.Kai H, Akamatsu E, Torii E, Kodama H, Yukizaki C, Akagi I, Ino H, Sakakibara Y, Suiko M, Yamamoto I, Okayama A
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Journal Title
Plants
Volume: 3
Pages: 18-26
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] oss of NDRG2 expression activates PI3K-AKT signalling via PTEN phosphorylation in ATLL and other cancers.2014
Author(s)
7.Nakahata S, Ichikawa T, Maneesaay P, Saito Y, Nagai K, Tamura T, Manachai N, Yamakawa N, Hamasaki M, Kitabayashi I, Arai Y, Kanai Y, Taki T, Abe T, Kiyonari H, Shimoda K, Ohshima K, Horii A, Shima H, Taniwaki M, Yamaguchi R, Morishita K
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Journal Title
Nature Comm
Volume: 5
Pages: 3393
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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