2014 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子異常検出系を駆使した乳児期発症てんかん性脳症の遺伝学的解明
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25293085
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
才津 浩智 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40402838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝学 / てんかん / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) トリオ(患児およびご両親)のエクソーム解析によるde novoおよび劣性遺伝形式の変異の網羅的スクリーニング:目標の80症例を大きく超える200例超の検体を全エクソーム解析し、原因が不明であった症例のうち20例強に対してトリオ解析を施行した。その結果新規原因遺伝子と考えられる遺伝子変異を複数同定することができた。
2)エクソーム解析データを用いたコピー数異常の検出:エクソーム解析データのリードデプスを用いたコピー数解析(ノードらの方法)を行い、既知のてんかん遺伝子のコピー数異常を調べた。染色体のコピー数異常を3検体で検出でき、うち1検体は遺伝子内の1エクソン欠失であった。 3) 新規責任遺伝子の変異スクリーニング:エクソーム解析で同定した新規責任遺伝子の変異スクリーニングを、エクソーム解析未施行の187検体に対して施行した。具体的には、300bp以上の大きさのPCRを各検体に対して行い、増幅を確認後、同一検体のPCR産物をすべて混ぜ合わせた後に、Nextera DNA Sample Prep Kit (イルミナ社)を使って、アダプター付加とインデックス付加を行った。対象遺伝子のタンパク質コード領域の94%前後は、20リード以上でカバーできており、極めて精度よく変異スクリーニングが可能であった。
4)てんかん患者群と当教室の575例のコントロールエキソームデータとの変異の比較:上記検討を行ったところ、いくつかの候補遺伝子が抽出できた。うち1遺伝子に関しては、過去に報告のある遺伝子であることが分かり、この方法で疾患責任遺伝子の抽出が可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全エクソーム解析による網羅的遺伝子変異およびコピー数解析は、当初の予定の80検体を大きく超える数が解析されている。また。トリオのエクソーム解析によって、複数の新規責任遺伝子が同定できており、乳児期発症てんかん性脳症の遺伝学的解明は着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
全エクソーム解析によるスクリーニングを継続する。全エクソーム解析数は世界有数であり、今後は日本および海外との共同研究を展開して、更に多くの遺伝要因の解明に努める。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンス関連試薬に関して、計画より遅く購入しても実験は順調に推進できたため、購入を送らせており、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に購入予定であった次世代シークエンス関連試薬と併せて、平成27年度分を購入する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] De novo EEF1A2 mutations in patients with characteristic facial features, intellectual disability, autistic behaviors and epilepsy.2015
Author(s)
Nakajima J, Okamoto N, Tohyama J, Kato M, Arai H, Funahashi O, Tsurusaki Y, Nakashima M, Kawashima H, Saitsu H, Matsumoto N, Miyake N.
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Journal Title
Clinical Genetics
Volume: 87
Pages: 356-361
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Early onset epileptic encephalopathy caused by de novo SCN8A mutations.2014
Author(s)
Ohba C, Kato M, Takahashi S, Lerman-Sagie T, Lev D, Terashima H, Kubota M, Kawawaki H, Matsufuji M, Kojima Y, Tateno A, Goldberg-Stern H, Straussberg R, Marom D, Leshinsky-Silver E, Nakashima M, Nishiyama K, Tsurusaki Y, Miyake N, Tanaka F, Matsumoto N, Saitsu H.
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Journal Title
Epilepsia
Volume: 55
Pages: 994-1000
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] PIGA mutations cause early-onset epileptic encephalopathies and distinctive features.2014
Author(s)
Kato M, Saitsu H, Murakami Y, Kikuchi K, Watanabe S, Iai M, Miya K, Matsuura R, Takayama R, Ohba C, Nakashima M, Tsurusaki Y, Miyake N, Hamano S, Osaka H, Hayasaka K, Kinoshita T, Matsumoto N.
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Journal Title
Neurology
Volume: 82
Pages: 1587-1596
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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