2013 Fiscal Year Annual Research Report
SFN, IGBP1に着目した肺腺癌発生の分子基盤の解明
Project/Area Number |
25293086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 雅之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00198582)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Stratifin / IGBP1 / Lung adenocarcinoma |
Research Abstract |
Stratifin (SFN)の肺腺癌発生における役割の解析について、SFN遺伝子をSP-Cプロモーター下に導入した発現ベクターを作製してICRマウスを用いたトランスジェニック(TG)マウスを作製した。このTGマウスを用いてNNKによる化学発がん実験を開始した。現在、雄雌それぞれ30匹、29匹にNNKの投与を終え、経過観察中である。 また、A549細胞にFlagタグを付けたSFN発現ベクターを導入しSFNを強制発現させ、その細胞から抽出した蛋白をサンプルとし、抗Flagタグ抗体を用いたpull down assayおよびLC/MSMS解析を行い、計24個のSFNに特異的に結合する蛋白を得た。この中から細胞周期のS期に関与する蛋白としてSKP1を選択した。SKPはCullin1あるいはF-boxと結合することでSCF complexを形成し、cyclin E1等増殖関連蛋白の活性を阻害する。SFNはSKP1に結合する事によってSCF complexの活性を阻害し、リン酸化cyclin E1の活性を維持することが考えられた。 IGBP1についてはMicroRNA arrayあるいはTarget Scanを用いた解析で6つのMicroRNA (miR)が選択された。これらのmiRは上皮内腺癌でもその発現が低下している事を明らかにした。またこれらのmiRをA549あるいはPC-9に遺伝子導入し、IGBP1の発現を解析すると、miR-34b, miR-1909, miR-3941の3つがIGBP1の発現を低下させる事がわかった。今後luciferase assayを用いてこらら3つのmiRが直接IGBP1の発現のコントロールを行っているかどうかを検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウスの作製が計画以上の速度で行えたので、化学発がん実験により早期に進むことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
Stratifin (SFN) が肺腺癌の発生に関与するかの検討についてはトランスジェニックマウスを用いた解析で証明していきたい。またSCF complexとSFNの関与についてもさらに詳細に解析し、cyclin E1以外にも実効蛋白があるかどうかを検証していきたい。 IGBP1については3つに絞られたmiRのどれが、あるいはどれもがIGBP1の発現調節に関与するかを明らかにしていきたい。
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