2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25293121
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 安彦 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (00277485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 二朗 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (30127112)
那須 郁夫 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80112952)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 健康余命 / 部分的健康余命 / サリバン法 / 多相生命表 / 死亡率 / 健康状態間移動率 |
Outline of Annual Research Achievements |
1986年から2013年までの国民生活基礎調査のデータを用い、厚生労働省が健康日本21(第二次)において検討することを推奨している健康余命の一つである「自分が健康であると自覚している時間の平均」を計算し、日本人の健康度の推移を検証した。計算には国民健康基礎調査の「あなたは現在の健康状態はいかがですか」という質問への回答とサリバン法を用いて行われた。2004年までの値は本研究代表者がすでに公表している論文から引用し、2007年から2013年までの3時点の値を計算した。結果を見ると、男女ともに25歳時において平均余命は伸び続けているが、健康余命は1995年をピークとして減少に転じていた。しかし、2007年から2010年にかけて健康余命が増加傾向にあるようである。
健康余命の決定因子の観点から2つの研究を行った。一つは社会参加が死亡率に与える影響である。縦断調査である日本大学「健康と生活に関する調査」を用い社会活動等に参加する高齢者と参加しない高齢者の死亡率をコックス回帰分析を用いて行った。その結果、どのような活動であっても参加している高齢者の死亡率が統計的に有意に低いことが明らかになった。
もう一つの研究は視覚機能と健康余命との関係を検証した。日本大学「健康と生活に関する調査」を用い、視覚機能が良好な高齢者とそうでない高齢者の群に分けて健康余命の推計を行った。推計は多相生命表法を用い、ソフトウェアはIMaChを用いた。この研究では健康状態の指標として日常生活動作能力および手段的日常生活動作能力を用い動作能力に問題がない高齢者を健康、そうでない高齢者を不健康と定義した。結果は65歳時において男女ともに、視覚機能が良好な高齢者はそうでない高齢者に比べて、統計的に有意に余命も健康余命も長いことが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力者の体調不良や、研究代表者との日程調整の都合などの理由で研究が遅れている。具体的にはコーホート健康余命の研究とBiological/Physical Ageを基本とした健康余命の推計である。コーホート健康余命の研究は米国のデータを使用して方法論の研究を米国の研究協力者と行っているが、計画より時間がかかっている。また、Biological/Physical Ageを基本とした健康余命の推計も研究協力者と行っているが、遅れている。さらに、健康余命の計算ソフトであるIMaChおよびSPACEを用い、社会経済変数をコントロールした健康余命の推計を計画していたが、実際に研究を始めてみて、計画にいくつか問題があったことが明らかになった。問題の解決のために、計画が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究が計画より遅れたため、研究期間の延長を申請し、承認された。遅れている研究に関しては研究協力者等と電子メールやSkypeなどを利用して頻繁に打ち合わせを行う計画である。また、学会などで会う機会を利用して、分析および論文執筆の打ち合わせをすることを考えている。
|
Research Products
(6 results)