2015 Fiscal Year Annual Research Report
終末糖化産物受容体阻害アプタマーの開発と心血管病、癌への応用
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25293127
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山岸 昌一 久留米大学, 医学部, 教授 (40281026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌治療 / 糖尿病合併症治療 / DNAアプタマー / 核酸医薬品 / 終末糖化産物 / 終末糖化産物受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に於いては、終末糖化産物を認識し病的シグナルを伝達する受容体(RAGE)の機能を阻害するDNAアプタマー(RAGEアプタマー)の癌への有効性について検証をおこなった。ヌードマウスの皮下にヒトメラノーマ細胞であるG361細胞を100万個注入し、腫瘍異種移植片モデルを作製した。移植後、2週間経過した時点でRAGEアプタマー及びコントロールアプタマーの投与を開始した。アプタマーの投与は、浸透圧ポンプの腹腔内埋め込みにより持続的におこない、4週間後に腫瘍移植片を採取した。経時的な腫瘍体積の測定の結果、ポンプ投与後17日目から、RAGEアプタマー投与群における腫瘍体積はコントロールアプタマー投与群と比べて有意に低下していた。採取した腫瘍組織について免疫染色をおこなったところ、酸化ストレスマーカー(8-OHdG)、AGE、RAGE、腫瘍の増殖マーカー(PCNA)、p27、VEGF、血管内皮マーカー(CD31)、MCP-1、Mac-3等がいずれもRAGEアプタマー投与群で有意に低下していた。RAGEアプタマーはAGE-RAGE系の抑制により、組織内の酸化ストレス産生を阻害し、腫瘍内血管新生に加えてマクロファージの浸潤を低下させることで腫瘍増殖を抑制する効果を発揮することが示唆された。さらに、今回のRAGEアプタマー投与は、腫瘍移植後に腫瘍組織が目視で確認できる程度に成長してからであったにもかかわらず、腫瘍に対し抑制効果を示したことは、将来の臨床応用に向けて重要な知見が得られたといえる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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