2014 Fiscal Year Annual Research Report
心不全に関わる遺伝子異常と病態形成機構の解明に立脚した治療戦略の開発
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25293181
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 彰方 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 遺伝学 / ゲノム / 循環器・高血圧 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでに申請者らが行って来た遺伝性心筋症の病因となる遺伝子異常の同定と、それによる病態形成機序の解明に立脚して、心不全病態の治療・予防戦略を策定することを目的とした。ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素(PP1M)のスモールサブユニット(M21)を高発現するトランスジェニックマウス(M21-TGM)の肥大型心筋症様病態を詳細に検討したところ、心不全発症に先行して、筋原線維の錯走配列、Z帯の整合性異常、ミトコンドリアの増加などヒトの肥大型心筋症と同様の病理像が観察された。これとは別に、心筋症関連遺伝子67種類の全エクソンについて網羅的に変異を検索するシステムを構築し、これを用いて若年発症例を中心として原因変異の検索を行ったところ、明らかな家族歴がない症例でもその70%以上にサルコメア遺伝子変異などが検出されること、15歳以下の孤発例の約40%はde novo変異であることなどが判明し、とくに若年者では家族歴の有無によらず変異検索を実施することの有用性を明らかにした。また、7種の心筋症原因候補遺伝子の全エクソンについての変異検索を実施しており、健常者データベースには認められない変異を複数同定した。一方、激しいスポーツをする者には心肥大や心電図異常が観察されることがよく知られているが、このようなスポーツ心は機能性肥大であるとされており、病的肥大である肥大型心筋症とは異なる心肥大像であると考えられていたが、心電図異常を呈するスポーツ者102名についてMYH7, MYBPC3, TNNT2およびTNNI3の全エクソンの変異を検索したところ、うち5名にこれまでに肥大型心筋症関連変異として報告されている3種のミスセンス変異が検出された。さらに、in silico解析やスポーツ心者と同じ変異を有する肥大型心筋症家系の解析を合わせて実施し、これらの変異の病因論的意義を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画したとおりの研究を実施したが、それに加えてスポーツ心臓者の遺伝子解析を実施するなど、より多くの研究を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋収縮のカルシウム感受性亢進が肥大型心筋症の病態形成の基本メカニズムであることを明らかにしたため、これを是正する手法が病態形成を抑制することについて、M21高発現マウスを用いてin vivoで明らかにする。また、候補遺伝子アプローチによっていくつかの新規原因遺伝子の候補を同定しているため、それらの機能解析を実施する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A novel mutation in alpha-myosin heavy chain gene is associated with sick sinus syndrome2015
Author(s)
Ishikawa T, Jou CJ, Nogami A, Kowase S, Arrington CB, Barnett SM, Harrell DT, Arimura T, Tsuji Y, Kimura A, Makita N
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Journal Title
Circ Arrhythm Electrophysiol
Volume: 8
Pages: 400-408
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] ET-1 induces myofibrillar disarray and contractile vector in hypertrophic cardiomyopathy-iPS cell-derived cardiomyocytes2014
Author(s)
Tanaka A, Yuasa S, Mearini G, Egashira T, Seki T, Kodaira M, Kusumoto D, Kuroda Y, Okata S, Suzuki T, Arimura T, Makino S, Kimura K, Kimura A, Furukawa T, Carrier L, Nobe K, Fukuda K
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Journal Title
J Am Heart Assoc
Volume: 3
Pages: e001263
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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