2013 Fiscal Year Annual Research Report
Ataxin-2を介した神経変性疾患発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
25293201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 行郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80542563)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / RNA / 筋萎縮性側索硬化症 / 痴呆 / 遺伝子 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症 (ALS)や脊髄小脳変性症 (SCA)などの神経難病は、治療法が確立しておらず、病態解明が急務である。SCA2型は、Ataxin-2のポリグルタミン鎖異常伸長が原因であるが、最近になって本リピートの中等度伸長が、ALSの危険因子であることが判明し、Ataxin-2の機能破綻が、両疾患に共通した神経変性機構の根底にあると考えられる。しかしながら、Ataxin-2の生理的機能は依然として不明である。一方、我々は、Ataxin-2がmicroRNAの機能複合体であるRISCの構成因子であることを発見したことから、主にmicroRNAとの相互関係に着目しながら、その生理的機能を特定し、更にポリグルタミン鎖伸長が本機能にどのように影響するのかを明らかにするため、本研究を開始した。これまでに、Ataxin-2がmicroRNAの機能複合体RISCと結合すること、結合に必要不可欠なドメインを決定した。また、RISC複合体を重さによって分画したところ、microRNAをRISCへloadする複合体には含まれず、TNRC6Aなどと共存していた。機能アッセイを行うと、TNRC6Aが翻訳抑制に働く一方で、Ataxin-2はタンパク質発現を促進する機能を持つことが判明した。しかしながら、microRNAによる翻訳抑制自体に与える影響は軽微であったことから、互いに近接しながら、異なる機構によってタンパク質発現を制御していると考えられた。このため、Ataxin-2自体がRNA結合能を保持するのではないかと予測し、結合RNAをPAR-CLIP法で回収し、網羅的にシーケンスを行った。その結果、Ataxin-2は、mRNAの3’UTRに直接結合し、mRNAの安定性を促進していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、Ataxin-2の結合因子、機能アッセイによる評価、ポリグルタミン鎖伸長による影響などを評価し、これらは計画通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ataxin-2の持つ生理的機能を、miRNAとの関連に重点を置いて、更に培養細胞レベルで解析を進める予定。
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[Presentation] Comprehensive analysis of the roles of TDP-43 and FUS in RNA processing2013
Author(s)
Li, Q., Yamamoto, M., Seno, S., Matsuda, H., Suzuki, Y., Kawahara Y.
Organizer
第36回日本神経科学大会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20130620-20130623
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