2014 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病における膵α細胞機能障害の分子メカニズムの解明
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25293208
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
北村 忠弘 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (20447262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵α細胞 / グルカゴン / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
異なる3種類の抗体(Santa-Cruz:C-19、Santa-Cruz:H-90、abcam:70005)を用いて、膵臓におけるATF3の発現パターンを調べた。野生型マウスの膵臓切片において、これらのATF3抗体とインスリン、あるいはグルカゴン抗体との2重免疫染色を施行した所、C-19抗体ではATF3はグルカゴンと共染色したが、インスリンとは共染色しなかった。一方、H-90抗体とabcam抗体ではATF3はインスリンとグルカゴンの両方と共染色した。また、C-19抗体ではATF3は細胞質優位に染色されており、H-90とabcam抗体では核に優位に発現が確認された。これらの結果から、ATF3は染色に用いる抗体によって膵臓における発現パターンが異なって解釈される可能性が示唆された。一方、これらの抗体を用いて、高脂肪食飼育マウスとdb/dbマウスのラ氏島細胞におけるATF3とFoxO1の発現レベルを、組織免疫染色を用いて検討したが、コントロールマウスと比べて有意な差は認められなかった。また、これらのマウスからラ氏島を単離し、定量RT-PCRを用いてATF3とFoxO1のmRNA量を解析したが、やはり有意な差は認められなかった。α細胞におけるATF3の生理的役割をin vivoで明らかにする為に、Glucagon-CreマウスとATF3 floxマウス、あるいはFoxO1 floxマウスを交配し、α細胞特異的ATF3ノックアウトマウスとα細胞特異的FoxO1ノックアウトマウスを作製した。これらのマウスの血糖値(空腹時血糖と随時血糖共に)は正常範囲であった。現在、これらのマウスを用いて糖脂質代謝を詳細に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの解析はほぼ予定通りに進行しているものの、in vivoの解析で組織免疫学的解析において抗体の違いによる染色性の違いについて基礎検討が必要になったことと、マウスの交配が予定外に時間がかかり、計画通りとまでは行かなかったが、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoの解析での遅れを取り戻すべく、遺伝子改変マウスの解析を急ぐ予定である。基本的に研究計画の変更は行わない。
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