2014 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞転写因子ネットワークの網羅的解析による糖尿病発症メカニズムの解明
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25293212
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山縣 和也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (70324770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 達也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (40313530)
佐藤 叔史 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (90622598)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病 / インスリン / 転写因子 / グルコキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
HNF、PDX1、グルコキナーゼなどの遺伝子変異により若年発症成人型糖尿病(maturity-onset diabetes of the young: MODY)が発症する(Yamagata K. Nature 1996)。これら遺伝子が糖代謝を制御するメカニズムについて検討を行った。 グルコキナーゼ遺伝子の第一エクソンは膵と肝で異なっている。肝特異的エクソン1を破壊した肝臓特異的グルコキナーゼノックアウトマウスを作製したところ、本マウスは肝臓内におけるグリコーゲン代謝が障害され、耐糖能異常を呈することが明らかになった。また、肝のグルコキナーゼは膵からのインスリン分泌を制御しているという報告があるが、本ノックアウトマウスを用いた検討では、インスリン分泌は正常であり、肝グルコキナーゼによるインスリン分泌制御機構の存在は否定的であった(Hayashi H. BBRC in press)。 MIN6細胞を軽度低酸素に曝露したところ、PDX1遺伝子の発現低下が認められ、この発現低下は低酸素応答のマスター分子であるHIF1非依存的であった(Sato Y. PLOS ONE 2014)。低酸素はHNF4の発現をタンパクレベルで制御していることも新たに見出しており、引き続きその分子機構の解明を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝におけるグルコキナーゼの働きについて明らかにした。また、低酸素がインスリン分泌に必須であるPDX1やHNF転写因子の発現に重要であることを新たに見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きHNF標的遺伝子の探索やその機能解析をすすめる。またこれら転写因子ネットワークの恒常性維持機構について検討を進める。
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Causes of Carryover |
研究の遂行に必要な消耗品を予想より効率的に購入することが可能であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の研究に必要な試薬・抗体・キットなど消耗品の購入に利用する予定である。
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Research Products
(9 results)