2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25293221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
依馬 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (50344445)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血液内科学 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
本研究の最終目標はシングルセル培養を使って、造血幹細胞の自己複製誘導が可能であることを示すことである。この目的を果たすために2つの重要課題をクリアする必要がある。1.より能力の高い造血幹細胞を用いること。2.新たな培養条件を試みることである。今年度は特に 1.の課題に挑んだ。従来マウス造血幹細胞としてCD34陰性c-Kit陽性Sca-1陽性Lin陰性 (CD34-KSL) 細胞を用いてきた。本研究からは、さらに純度の高い造血幹細胞としてCD150強陽性CD41陰性CD34-KSL(CD150high41-34-KSL)細胞を用いた。我々はまずシングルセル移植によって、CD150high41-34-KSL細胞が長期(>1年)造血系再構築能を有することを確認した。さらに、本研究によって新たに確立したシングルセル培養法(初期分裂様式の解析とFACSを用いたコロニーの定量的解析を組み合わせたアッセイ)を用いて、これらの細胞が高い頻度(>90%)で、コロニーを形成すること、形成されたコロニーの半数以上が好中球、マクロファージ、巨核球、赤芽球を含む多分化コロニーであること見出した。また、初期分裂の特徴として、第一分裂までに長時間を要すること(平均29時間)、前駆細胞と比較して一回の分裂に長時間(平均21時間)を要することが明らかとなった。興味深いことに、CD150high41-34-KSL細胞はin vitroアッセイでもかなり不均一な集団であることを示している。この不均一性と造血幹細胞性の間に何らかの関連がないか現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血幹細胞のクローナルな解析は自己複製や分化の研究に不可欠である。本研究ではシングルセル移植とシングルセル培養という独自の手法を用いて、これまで以上に純化した造血幹細胞を解析できた。これにより、私たちの用いた高度に純化した造血幹細胞の能力が正確に評価できた。一方では、in vitroの動態に不均一性が観察された。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者らは造血幹細胞にはInterleukin (IL)-12受容体が発現し、stem cell factor存在下で、造血幹細胞はIL-12に直接反応して、効率よく分裂することをすでに見出している。しかし、IL-12がどのように自己複製に関与するかについては不明である。この問題を解決するために、培養後の造血幹細胞を定量的に解析する。また、造血幹細胞の定性的解析のため、クローナルレベルでの移植実験を行う。
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Research Products
(4 results)