2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムコピー数低下領域に特化した日本人若年糖尿病の発症機構の解明
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25293228
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
堀川 幸男 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (10323370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 純 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40270855)
飯塚 勝美 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40431712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MODY / 原因遺伝子 / インスリン分泌不全 / エクソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度7個の有望な新規MODY候補遺伝子変異を獲得したが、そのうち日本人576人のコントロールで変異の認められなかった2個のMODY候補遺伝子(X1,X2)について、先ず30人のデンマーク人MODY様患者で検証したが、家系内で集簇している変異は認められなかった。 次に2000人のデンマーク人(1000人の2型糖尿病患者と1000人の健常者)で調べたところ、MODY-X1には5つのミスセンス変異を含む11個の変異を認めたが、糖尿病発症や関連病態との関連は認められなかった。MODY-X2に関しては、19個のミスセンス変異を含む31個のタンパク変異を認め、そのうちの1つの変異は糖尿病発症リスクと関連が、また別の変異はβ細胞の機能と関連が認められ、変異の種類に応じて糖尿病発症や関連病態と関連する可能性が示唆された。 さらに本年度は新規に取得したMODY大家系から罹患、非罹患合わせて18名、他にそれぞれ3名、4名および5名で構成される3家系のMODY家系のエクソーム解析を施行した。検出されたエクソンの多型・変異から、非同義置換、スプライスサイトの塩基置換または挿入欠失を選択し、次いでThe Human Genetic Variation Databaseにおける日本人1,208名の頻度情報からレアバリアントを選択、家系内co-segregationから原因候補となる変異を検索した。加えて、エクソームの結果からHapMapのSNPを抽出、連鎖解析を実施し、これまで解析してきた家系も含めた高LODスコアを示すゲノム領域の同質性・異質性を精査した。その結果、大家系で候補変異の数は11カ所に絞られた。また、エクソームの結果からHapMapのSNPを抽出、連鎖解析を実施したところ、第9番染色体にLODスコア2.7を示す約11Mbの領域を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度6家系のエクソーム解析より7個のMODY候補変異を獲得していたが、今年度は新規に取得できたMODY大家系から18名と、それぞれ3名、4名および5名で構成される3家系のMODY家系のエクソーム解析を施行した。そして検出されたエクソンの多型・変異から、非同義置換、スプライスサイトの塩基置換または挿入欠失を選択し、次いでHGVDにおける日本人1,208名の頻度情報からレアバリアントを選択、さらに家系内co-segregationの検討やネットワーク解析を加えて合計31個のMODY原因候補遺伝子変異を獲得できた。しかし家系固有の遺伝子変異が多く認められており、未知MODY遺伝子の異質性は当初の予想より高いと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソーム解析において対象の罹患設定は非常に重要であり、原因遺伝子変異を落とす大きな要因となる。そこで、新規にアミノ酸変異の頻度や効果の重み付け、浸透度を変化させながらのLODスコアなどを考慮できるプログラム(pVAAST)を用いて、すでに獲得しているMODY候補遺伝子群の追加検討を進める。同時に未知MODY遺伝子の異質性について、全MODY家系を再度本プログラムに供して、家系を越えた共通原因遺伝子の探索を図るとともに、日本人コントロールサンプル数を増やすことにより、MODY候補遺伝子変異のさらなる差別化・絞込みを図る。さらに機能解析・臨床分析を加えることによって新規MODY遺伝子のインスリン分泌不全をはじめとするMODY病態における役割を検証し、臨床現場でMODYの識別的診断法や治療法開発へと展開・発展させていく。
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Research Products
(11 results)