2014 Fiscal Year Annual Research Report
アロステリックシャペロンを用いた小児遺伝病に対する新規治療法の開発
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25293230
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
難波 栄二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 克美 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 准教授 (90294321)
河田 康志 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40177697)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ライソゾーム病 / シャペロン化合物 / アロステリック効果 / 蛋白質立体構造 / 神経変性疾患 / 治療法開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ライソゾーム病の原因酵素に対し、阻害活性を示さないアロステリック作用により酵素安定化活性を示すシャペロン化合物を開発する事を目的とする。 本年度は、昨年度、ムコ多糖症II型欠損酵素に対し、従来の阻害活性スクリーニングと、酵素安定化活性スクリーニングにより同定した化合物の、培養細胞に対する効果を調べた。結果、変異特異的なシャペロン効果を示す化合物を複数認めた。次に、β−ガラクトシダーゼに対するアロステリックシャペロン候補化合物を同定した。予備的な解析の結果、候補化合物のうち少なくとも1化合物が変異β−ガラクトシダーゼに対するシャペロン効果を培養COS細胞系で認めた。現在、これらの候補化合物について、培養細胞実験系を用い変異特異的シャペロン効果について解析を行っている。 さらに、最終年度に向けて蛋白構造変化について検討するためのシステムの構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライソゾーム病2疾患、ムコ多糖症II型とGM1-ガングリオシドーシスに対するアロステリック作用によるシャペロン候補化合物を複数同定できた。また、予備的な解析により、そのうちのいくつかの化合物において、培養細胞に対するシャペロン効果を認めることができ、今後さらに解析をすすめることで、新規シャペロン治療薬としての開発に進展する可能性が示唆されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに同定した、ムコ多糖症II型とGM1-ガングリオシドーシスの2疾患に対する新規アロステリックシャペロン候補化合物について、培養変異酵素cDNA発現系を用い、有効性を示す変異型を明らかにする。具体的には、GM1-ガングリオシドーシス88種類などすでに確立している疾患モデル細胞を用い、候補化合物を加え48時間培養後に酵素活性の上昇で測定する。さらに、これらのモデル細胞内のGM1-ガングリオシドなどの蓄積、オートファジーなどの機能異常などについて検討する予定である。 また、これらの候補化合物と変異蛋白の関係を、構造生物学的に検討し、その結合様式を明らかにし、さらに新たなシャペロン開発の情報とする予定である。
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Causes of Carryover |
現在の探索ではアロステリックシャペロンが、予想以上に少なく、予定していた機能解析や構造生物学的解析が遅れたため。そのために、成果発表が予定より少なかったことも使用額が少なくなった理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
候補シャペロンが発見できてきたので、本年度は機能解析も含めた詳細な解析さらに、構造生物学的な解析にも踏み込む予定であり、当初予定以上に予算が必要である。さらに、成果発表も積極的に行う予定であり、こちらにも予定以上の予算をかける予定である。
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Research Products
(7 results)