2014 Fiscal Year Annual Research Report
Fli1を中心とした全身性強皮症の一元的モデルの確立
Project/Area Number |
25293242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20215792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 善英 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60313029)
門野 岳史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80292910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | B細胞 / CD19 / Fli1 / 全身性強皮症 / ブレオマイシン / 皮膚硬化 / 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はFli1による全身性強皮症におけるB細胞機能異常への関与を明らかにすることによって、Fli1による全身性強皮症の一元化モデルを完成させることである。本年度の主な目標は、昨年度作成したFli1をB細胞特異的に欠損させたマウスを解析することである。Fli1は様々な組織に発現する転写因子であることから、B細胞におけるFli1の関与を明らかにするためにB細胞特異的にFli1を欠損させたマウス(Fli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウス)をCre/loxPシステムを用いて作成した。Fli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスでは、ブレオマイシンによる皮膚硬化(真皮の厚さ)がコントロールマウスと比較して増強していた。また、ハイドロキシプロリンアッセイによるコラーゲン量も約50%有意に増加していた。同様にブレオマイシンによる肺線維症についてもFli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスではコントロールマウスに比較して増強しており、コラーゲン量の有意な増加も認められた。さらに、皮膚における各種サイトカイン、細胞成長因子の発現を 解析したところ、TGFβ、インテグリンβ、IL-6、IL-17A、MCP1の発現がコントロールマウスに比較して有意に亢進しており、またMMP13の発現は逆に有意に低下していた。肺における各種サイトカイン、細胞成長因子の発現も同様の傾向が認められた。脾臓由来CD4陽性T細胞の細胞内サイトカインの解析にて、Fli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスではIL-17A産生が亢進していることが確認された。以上より、Fli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスでは、ブレオマイシン投与に対し、線維化を誘導するサイトカインの発現亢進によって、皮膚や肺の線維化の亢進が生じることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主な目標であるFli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスに対する、ブレオマイシン誘導性皮膚硬化モデルでの解析は当初の予定通りに進行している。ただし、hCD19-Fli1トランスジェニックマウスの作成については、hCD19-Fli1トランスジーンの作成に未だ成功していないため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Fli1flox/flox, CD19-Cre+/-マウスのB細胞異常や血管障害についてさらに解析を進める。また、hCD19-Fli1トランスジーンの作成を進めていく。
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