2015 Fiscal Year Annual Research Report
環状ホスファチジン酸による抗動脈硬化作用を利用した治療創薬の基盤開発
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25293274
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
塚原 完 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (00529943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 佳和 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (20377633)
羽二生 久夫 信州大学, 医学部, 准教授 (30252050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 血管内膜肥厚 / 生理活性脂質 / 核内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アテローム性動脈硬化症は動脈硬化の一種で、高血圧や高血糖などにより血管内膜が傷害され、炎症が生じると、その隙間から血管内膜下に入り込んだコレステロールをきっかけとしたプラーク発生とその破綻が 主な原因と考えられている。血清脂質であり脂質メディエーターのひとつであるアルキル型LPA(AGP)は動脈硬化症の前段階で認められる血管内膜肥厚の発生に関与しており、これは核内受容体の1つであるPPARγの活性化を介している。一方で、我々はアンタゴニスト活性を持つ新規生理活性脂質、環状ホスファチジン酸(cPA)を発見し、AGP依存的に誘発される内膜肥厚形成を有為に抑制することを報告した。cPA依存的に発現制御される動脈硬化関連遺伝子についても同定した。さらに、ApoE欠損マウスにおいて、cPAを短期腹腔内投与繰り返したところ、cPA投与群では有意にコレステロール値(T-CHO)及びLDLコレステロール値が低下した。一方で、HDLコレステロールについては有意に増加した。また、動脈硬化関連遺伝子であるCD36、PPARγ、FABP4、VEGFについては、いずれもcPA投与により顕著な発現レベルの抑制が観察された。本研究では新規な動脈硬化症の予防および治療法における成果を得ることに成功した。今後、臨床研究への橋渡しが一段と進むことが期待される。これまでプラーク破綻の抑制が期待されるような薬剤の評価が進まなかった原因として、有効な疾患モデルの存在がなかったことがあげられる。本申請はこれまでの欠点を克服した新しい疾患モデルによる新規な動脈硬化治療法を提案したものであり、今後、臨床への貢献度も大きくなることを期待している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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