2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規組織工学によるiPS細胞からの心臓血管臓器再生療法の開発
Project/Area Number |
25293298
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
伊藤 学 佐賀大学, 医学部, 助教 (50555084)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 心筋再生 / 血管再生 / 組織工学 |
Research Abstract |
我々は元来細胞が有する自己凝集能力スフェロイド形成および、スフェロイド同士を融合させてより3次元的な立体組織をつくり心臓血管手術に臨床応用出来る技術を開発している。本研究期間内にて明らかにすべきことは、ヒトiPS細胞を用いて、心筋細胞、血管内皮細胞、壁細胞などに分化させた細胞を純化・増殖し、我々の3次元化システムでヒトiPS由来分化細胞のみで構成された心筋・血管・弁組織を構築するモデルを確立すること。さらに、免疫抑制イヌ、ブタなどの中動物にたいする移植法を検討しデータを採取、移植モデルの構築とその検証である。 本年度は、ヒトiPS細胞を用いて、心筋、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞など心血管系への分化・純化法を確立を目指すと同時に、ヒトiPS細胞由来細胞が、従来開発してきたスフェロイド形成、およびスフェロイド融合により機能的な3次元組織を構築できるかの検討を行った。 市販されている、ヒトiPS細胞由来心筋と血管内皮細胞、ヒト初代培養の繊維芽細胞を用いてスフェロイド形成を行った。シングルセルから拍動する心筋スフェロイドを形成する際、48-72時間程度を要するがスフェロイド形成は可能であった。 一方、組織を3次元化して成熟させる3次元培養システムを構築した。パッチ状にスフェロイドを配列し、融合させたのちに、その形状をできるだけ維持して培養を続けるシステムがなかったが、完全にスキャホルドをふくまず、細胞だけで3次元化したパッチ状の3次元組織をつくるシステムを開発した。最大径1cm厚み1mm程度の細胞だけで構築された組織を、刺激を加えながら、形状を維持しつつ、強度を増すことができる簡便な培養装置の開発に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元培養装置の開発には成功したが、iPS細胞の安定的な維持培養や、心筋への効率的分化誘導、心筋のみを選別する純化方法がまだ研究室で定着しておらず、今後新たな技術を学会やバイオの見本市などから学び導入する必要がある。 平成26年度の研究で、心筋、血管内皮、血管平滑筋への分化を確立したい。 以上の理由で、研究計画書の計画に比較しやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度から、技術補助員を2名新規雇用した。これまで、1名の大学院生が行っていた細胞培養作業が、より効率的に行えると考えられる。昨年度まで遅れていた、iPS細胞の維持培養や分化誘導効率を上げ、研究を遂行していきたい。 同時により、機能的な立体組織を作成する技術開発も同時に進めていくこととしている。動物実験は再来年度を目標に計画を立てていきたい。
|
Research Products
(2 results)