2014 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による五十肩の病態解明と新規治療・診断法の開発
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25293315
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90436139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
森 大 慶應義塾大学, 先端生命科学研究所, 助教 (00588981)
土谷 昌広 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (60372322)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 凍結肩 / プロテオーム解析 / GO解析 / パスウェイ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度で確立したタンパク抽出法で合計8サンプル(凍結肩:4例、コントロール群:4例)の比較プロテオーム解析を行った。測定から解析の手順は以下である。(1)各検体をLC/MSで測定する。(=各検体を酵素消化して得られたペプチド断片混合物をショットガンプロテオーム解析する。)、(2)各検体から同定されたすべてのタンパク質について、MSにおける強度を解析する、(3)同定されたタンパク質ごとに、(2)で取得した各検体における強度 を コントロール組織4検体の強度の相加平均値 で割って、発現量比を算出する、(4)同定されたタンパク質ごとに、凍結肩組織 4検体 の場合、コントロール組織 4検体の場合について、(3)で算出した発現量比の相加平均値を算出する、(5)(4)で平均値を算出すると同時に、マンホイットニーのU検定を施行して、(4)で得られた平均値に有意差があるかどうか判定する、(6)(5)で有意差のあったタンパク質(=凍結肩とコントロールで変化のあったタンパク質)について、GO解析、パスウェイ解析を実施する。 マイクロアレイ解析では凍結肩でプロテオグリカンの増加が確認されていたが、今回の結果からは血液凝固系の増加が認められた。また、、リボソームタンパク質、プロテインプロセッシング系のタンパク質、解糖系のタンパク質にも変化がある傾向が認めらた。 現在は、新たに34サンプル(凍結肩:23例、コントロール群:11例)の解析を行っている。また、プロテオグリカンの組成解析(2糖分析)も進行中である。 従来考えられてきた凍結肩の病態とは別に、烏口上腕靭帯が関節可動域制限に大きく関わっていることが臨床研究から明らかとなり、この靭帯についても同様の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパクの網羅的解析、プロテオグリカンの解析は順調に進んでいる。また、弾性線維の組成についても解析を進めており、研究計画通りに進行している。動物モデル(ラット膝関節拘縮モデル)での関節包の解析もすすめており、ヒトサンプルとの整合性を確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
烏口上腕靭帯の解析を追加することで、臨床成績(手術)とのマッチングが可能となる。今年度は、関節鏡手術用に開発された高周波超音波振動子を実際の手術に利用することで、サンプル採取部位での術中評価が可能となる。タンパク、プロテオグリカンの解析結果で、コンドロイチナーゼABCの関節包組織に与える影響について検討する。
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