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2013 Fiscal Year Annual Research Report

周術期ストレスホルモンによる体温調節機構

Research Project

Project/Area Number 25293328
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

上村 裕一  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30211189)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長谷川 麻衣子  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20516637)
桑木 共之  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80205260)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsシバリング / 低体温 / ストレスホルモン
Research Abstract

術後合併症の一つである低体温やシバリングの発生率と、術前から有する基礎疾患の因果関係を、周術期の生理活性ホルモン変化を解析することにより検討した。プロポフォールとレミフェンタニルによる完全静脈麻酔下に開腹手術を受けた28症例を対象とした。肥満、糖尿病、高血圧、心疾患等の基礎疾患と、術後シバリング発生率との相関はみられなかった。コルチゾール、アドレナリン/ノルアドレナリンなどのストレスホルモンの術中血中濃度は、シバリング発生群と非発生群において差はみられなかったが、血中レプチン濃度はシバリング発生群において有意に低値であり、アディポネクチンは反対に高値を示した。これらのホルモンは白色脂肪組織でインスリン抵抗性に関与していることが示唆されているが、血糖値には差がみられなかった。代表者はプロポフォールがアディポネクチンの産生を抑制することを、培養脂肪細胞を用いて先に明らかにしている。プロポフォールはTNFαの産生を促進し、インスリン抵抗性を増悪することも報告されており、さらにプロポフォールに対する脂肪組織の感受性やアディポネクチンの産生を調節する因子について検討が必要である。また脂肪分解を介したエネルギー代謝への影響についても今後明らかにしていく。近年褐色脂肪組織のみでなく白色脂肪組織も末梢性に熱産生を調節していることが報告されている。脂肪組織においてマクロファージ由来TNFαやプロスタグランディンなどの炎症性物質がエネルギー代謝に関与していることが報告されており、麻酔法をはじめとする周術期管理と末梢性メディエーターの産生調節について検討したい。次年度は遺伝的にレプチン受容体を欠損した肥満/糖尿病マウス(db/db)を用いて、麻酔中の体温修飾機構を解明する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

低体温やシバリングの発生率と基礎疾患の関係を、周術期の生理活性ホルモンを測定することにより検討した。完全静脈麻酔下に開腹手術を受けた28症例を対象とし、術前の基礎疾患とは因果関係はなかったこと、レプチンやアディポネクチンと相関を示したことを明らかにでき、平成25年度の研究計画をおおむね達成できた。

Strategy for Future Research Activity

今後全身麻酔による低体温とストレスホルモン、とくにレプチン/アディポネクチンの因果関係を検討するため、レプチン/アディポネクチン比が高値で肥満を呈するマウス(db/db)を用いて解析する。当初の計画においてはorexin Aなどの視床下部産生ホルモンの影響も検討予定であったが、臨床結果から有意な変化がみられなかったため、末梢性体温調節のメカニズムを解析する。麻酔中の深部体温の推移を測定するとともに、基礎代謝量、交感神経活動の変化を検討する。また脂肪組織におけるUCP-1やカテコラミン産生量を測定することにより、レプチン/アディポネクチンの末梢組織を介した熱産生の制御機構と麻酔薬の修飾を明らかにする。今後全身麻酔による低体温とストレスホルモン、とくにレプチン/アディポネクチンの因果関係を検討するため、レプチン/アディポネクチン比が高値で肥満を呈するマウス(db/db)を用いる。麻酔中の深部体温の推移を測定するとともに、基礎代謝量、交感神経活動の変化を検討する。また脂肪組織におけるUCP-1やカテコラミン産生量を測定することにより、レプチン/アディポネクチンの末梢組織を介した熱産生の制御機構と麻酔薬の修飾を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額により、平成26年度実施計画の研究内容に使用する脳定位固定装置ならびにマウス麻酔関連機器の購入を予定していたが、臨床研究に時間を要したため、それらの購入が平成26年度へ変更となった。
脳定位固定装置ならびに麻酔薬、気管挿管チューブなどの麻酔関連機器と消耗品の購入に使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Perfusion index as a possible predictor for postanesthetic shivering2014

    • Author(s)
      Kuroki C, Godai K, Hasegawa-Moriyama M, Kuniyoshi T, Matsunaga A, Kanmura Y, Kuwaki T
    • Journal Title

      J Anesth

      Volume: 28 Pages: 19-25

    • DOI

      10.1007/s00540-013-1658-9.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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