2014 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的行動テストバッテリーを用いた麻酔薬の新規効能探索
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25293330
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30580724)
内本 一宏 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (50710951)
高瀬 堅吉 自治医科大学, 医学部, 教授 (80381474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 吸入麻酔 / 行動実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
麻酔薬の中枢神経作用には、鎮静という主作用だけでなく、術後認知機能の低下など有害な副作用があることが知られている。これら麻酔薬の副作用は、手術・麻酔という状況から離れれば、臨床応用性を備えた主作用に転じる可能性を有している。しかしこれまで、これらを包括的、網羅的に検証した研究はない。本年度は、①麻酔曝露を経験したマウスに網羅的行動テストバッテリーを課し、麻酔薬が脳機能に与える影響を網羅的に検討することで、当該薬剤への新たな作用の解明、さらに、②麻酔薬曝露からの時間および濃度変化に伴う脳機能への影響の包括的評価、麻酔薬の臨床応用の可能性を探った。 1.8%イソフルレン曝露動物の行動評価はほぼ終了した状況にあるため、イソフルレンの濃度を変え、同様のテストバッテリーを行い、またセボフルレンやデスフルランなど他の吸入麻酔薬による行動への影響を、同様のテストバッテリーを用いて行った。恐怖条件付けの機器を用いて、すでに立ち上げている記憶学習のテストに追加して、恐怖条件付けを用いた記憶への影響を評価した。 なお、平成26年から平成27年に繰り越された研究については、研究分担者の高瀬堅吉氏が担当する実験の遅れを取り戻すべく、同氏が適宜作業を進めた。器具の購入および、実験経過報告のためのミーティング参加への旅費に適切に予算が消化され、充当された資金で一定の成果を得ることができた。その成果をまとめて、現在、論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
包括的行動評価系の構築が順調に終わり、吸入麻酔に曝露した行動評価およびデータ取得が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ケタミンを用いた実験を開始し、ケタミンの影響を受けた行動課題の基盤にある分子的変化および回路の変化を生化学、電気生理学的に検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年8月、研究分担者である高瀬堅吉の異動に伴い、異動先での各種行動実験の環境の変化により、実験遂行に遅れが生じてしまった。新任地での研究装備の組み直しに時間を要し、当初の研究計画通りに進まなかったため、分担金を適切に消化することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
異動後の実験環境整備を詳細に行った後、当初の目的である包括的評価および解析のために用いる。
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