2014 Fiscal Year Annual Research Report
非淋菌性尿道炎に関わる細菌およびウイルスの疫学、治療に関する総括的研究
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25293337
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松本 哲朗 産業医科大学, 医学部, 名誉教授 (50150420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱砂 良一 産業医科大学, 医学部, 講師 (30189609)
高橋 聡 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30332919)
福田 和正 産業医科大学, 医学部, 講師 (40389424)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非淋菌性尿道炎 / クラミジア / マイコプラズマ / ウレアプラズマ / トリコモナス |
Outline of Annual Research Achievements |
男性の性感染症の中でも非淋菌性尿道炎は最も頻度の高い疾患である。このなかで、クラミジアが検出されない非クラミジア性非淋菌性尿道炎の起炎菌、治療法は確定していない。数多くの種類の微生物が原因となっている可能性が高いが、わが国においてほとんどの微生物の検査、治療に保険適用がなく、臨床現場に混乱が生じている。本検討では非クラミジア性非淋菌性尿道炎の起炎微生物を確定すること、さらに、その治療法を検討するため、男性尿道炎患者の尿を採取した。さらに、咽頭の常在菌または感染菌も尿道炎の原因菌となることが分かってきたため、口腔検体としてうがい液を採取した。 文書にて説明、承諾を得た初尿検体、うがい液をこれまでに200例より採取した。これらの検体よりDNAを採取し、核酸増幅法により各種細菌、原虫の検出を行っている。現在までにMycoplasma genitalium、、Ureaplasma urealyticum、Ureaplasma parvum、Mycoplasma hominis、Trichomonia vaginalisの検出を行っている。前4細菌は我々がこれまでに報告したrealtime PCR法にて行っている。T.vaginilaisに対しては、標準的な核酸増幅法がないため、2種類のプライマーを使用しているが、結果に乖離があるため、現在、再検討中である。また、一部の検体に対しては、16S rRNA遺伝子をターゲットとしたクローンライブラリー法を用いて、尿中、口腔内検体の細菌叢の検討を行っており、クローンライブラリー法による検討の一部は、現在、論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微生物の検出に核酸増幅法を用いているが、過去に報告されたプライマーを複数使用している。しかし、一部の微生物の結果において、プライマー間に乖離が生じており、これらの結果を解明するために時間を要している。また、対象となる非尿道炎患者またはコントロール数が不足しており、これら対象から検体をさらに追加採取する必要がある。 さらに、検討する微生物は現在までに、Mycoplasma genitalium、、Ureaplasma urealyticum、Ureaplasma parvum、Mycoplasma hominis、Trichomonia vaginalisであり、新たな微生物の検出が必要であるが、プライマー設定などが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Chlamydia trachomatis、Gardonerella vaginiialis、adenoviruなどの検討を追加する予定である。さらにクローンライブラリ法にて関連が見いだされたウレアプラズマおよびマイコプラズマとGardonerella vaginiialisとの関連性を、より深く検討する予定である。 これらを検討したうえで、結果報告および論文作成を考慮する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究に用いる尿検体、うがい検体を集めるための運搬費に昨年度は費用の多くを使用する予定であったが、検体収集が予定より少なかった。また、核酸増幅法の結果に乖離が生じたため、同じ微生物に対する核酸増幅法を繰り返し行ったため、実験に使用する金額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は10種類以上の微生物の検出を行う予定であり、そののための消耗品および実験機器を購入する予定である。さらに、遺伝子実験のためのATCC社からの菌株購入、顕微鏡の購入を予定意する。また、論文執筆のための英文校正費および成果発表のためオーストラリアにて開催されるWorld Congress of STI and HIVに出席するための旅費に使用する。
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Research Products
(5 results)