2014 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群の成立機序の解明と、それに基づく予防方法、治療方法の開発
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25293342
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊澤 惠一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90444546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 仁美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80467571)
木村 正 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90240845)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / 胎盤特異的遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
レンチウイルスベクターあるいはHVJ-Eを用いた方法による妊娠高血圧症候群のカスケード作りを継続した。さらに上記実験をするさいに、補助としてマウスに様々な侵襲を試みた。上記のモデルマウスに他の侵襲も加えたが、明らかな重症化を認めることはなかった。しかし、この際、一つの侵襲(侵襲Z)のみで高血圧を呈した。侵襲Zによる高血圧は、レンチウイルスベクターを用いてhsFLT1を導入したマウスと血圧は同程度にまで上昇した。 この侵襲Zは遺伝子導入などを行わなわず、実際の妊娠高血圧症候群と近い状態であると考えられた。そこで、この侵襲Zを行った妊娠マウスが妊娠高血圧症候群のモデルマウス足り得るかの検証を適切な実験マウス数を考慮しながら行った。妊娠着床率の変化、血圧の上昇時期のsFLT1、及び尿蛋白、その他胎児の解析を行った。この解析のために、実験マウス数を増やした際、侵襲Zのマウスの血圧変化などに大きなバラつきを認めたため、精度を上げる必要が出てきた。そこで、侵襲Zが普遍的な侵襲とできる条件設定を行った。 また、侵襲Z を行うには1匹のマウスの手術時間が約15分と長くかかったしまうため、侵襲Z以外の手術そのものの影響(開腹時間が長期間になることによる影響、脱水による影響など)もあり得ると考え、これを短縮できるような方法を開発することも必要となってきた。これは、deviceの開発、手技の変更などの再検証が必要であり、平成27年度にも継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画とは実験過程において変化してきたが、より簡便な妊娠高血圧症候群のモデルマウスを作製できつつあるという点で、発展的な変更であると考えている。現在まで様々な妊娠高血圧症候群のモデルマウスが開発されてきているが、われわれの今回作成したマウスが妊娠高血圧症候群をどの程度まで模倣できているかの解析は必要となり、これは次年度以降に解析必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
侵襲Zは、遺伝子導入などを必要としない点で、非常にシンプルに妊娠高血圧症候群のモデルマウスを作りえる可能性を秘めている。そこで、これを普遍的に作成できる条件設定、およびdeviceの開発は行うことが今後の研究課題となると考えている。さらに、この侵襲Zのマウスの長期予後(その後の妊孕性、寿命など)に関しても解析を行う必要があると考えている。そのため、長い観察期間を必要とし、平成27年度以降もこの観察、解析が必要となる。
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Causes of Carryover |
新規の侵襲Zが非常に効果的であったため、当初と比べて一部スケジュール変更をした。そのため、レンチウイルスやHVJ‐Eを用いることにかかる費用を次年度以降の侵襲Zを効率的に行うdeviceを開発するための実験動物代金へと移行することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
侵襲Zを効率的に行うdeviceを開発するための実験動物代金、試薬の費用とする予定。 その他、作成したモデル動物の解析のための試薬の費用とする予定。
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Research Products
(21 results)