2014 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞移植・遺伝子治療による複合的内耳治療戦略
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25293351
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美野輪 治 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター開発, 研究員 (00181967)
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10374159)
飯塚 崇 順天堂大学, 医学部, 助教 (40372932)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アデノ随伴ウィルス / 遺伝性難聴 / iPS細胞 / 多能性幹細胞 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性難聴の根本的治療法は皆無であり、新た治療戦略を必要としている.。本研究では内耳幹細胞治療法とウイルスベクターによる内耳遺伝子導入法という2種類の独自に開発したアプローチを組み合わせ、独自の遺伝性難聴モデルに適用する。主に標的とするのは蝸牛線維細胞・支持細胞および同細胞で機能するコネキシン(CX)26遺伝子(GJB2)である。この治療による聴力回復に関する有効性と安全性を評価する。本研究では、多種多様な欠損細胞を一元的に修復する治療法としてi)欠失した遺伝子の導入とii)骨髄間葉系幹細胞および成人細胞から樹立可能な新規多能性幹細胞iPS細胞(induced Pluriopotent Stem Cell)の移入を我々の作製した遺伝性難聴モデルマウスへ適用し安全性・有効性評価を行うことにより、これまで皆無であった遺伝性難聴の根本的治療法を開発することを目的とした。これまでの研究では遺伝性難聴モデル、コネキシン26欠損マウスの蝸牛内へ半規管から投与した移植間葉系幹細胞を蝸牛へ誘導させる効率を飛躍的に増強させることに成功した。更にこれらの細胞が蝸牛組織内で標的の蝸牛細胞へ分化誘導されていることが示唆された。更に骨髄間葉系幹細に加えて人工多能性幹細胞iPS細胞(induced Pluriopotent Stem Cell)を用いた新規細胞移植法をアデノ随伴ウイルス(AAV)による遺伝子導入と複合的に応用することにより高音領域を有意に聴力改善させることに成功した。また新生仔マウス(生後0日齢)へのCX26遺伝子を搭載したAAVの投与によりCX26欠損マウスの聴力を有意に改善させることに成功した(Hum Mol Genet, 2015)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たな細胞・遺伝子複合治療法により遺伝性難聴モデルマウスの有意な聴力改善が認められた。また新生仔マウスの内耳へのアデノ随伴ウィルスの局所投与によっても有意な聴力改善が見られ、これらの方法を条件検討することにより遺伝性難聴の根本的治療法が開発できる可能性が高まったため。
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Strategy for Future Research Activity |
大部分の研究費に関しては計画通りに支出したが、旅費や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じるため、今後はこれらを事前に予測し、正確な支出計画を立てる予定である。 課題としては旅費や謝金等の勤務状況に応じて予想困難な変動が生じるため、適時年度計画を見直しつつ3か月ごとの支出計画の確認と消耗品購入量の調整を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究員が退職し後任者が決まらなかったことから、当初の見込みより賃金等の支出が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規研究員・研究補助員の募集および雇用により研究推進・データ解析を加速させるとともに、旅費、謝金や使用消耗品の購入量を調整して3か月ごとの試算を行うことにより計画的な支出を目指す。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Assembly of the cochlear gap junction macromolecular complex requires Connexin262014
Author(s)
Kazusaku Kamiya, Sabrina W. Yum, Nagomi Kurebayashi, Miho Muraki, Kana Ogawa, Keiko Karasawa, Asuka Miwa, Xueshui Guo, Satoru Gotoh, Yoshinobu Sugitani, Hitomi Yamanaka, Shioko Ito-Kawashima, Takashi Iizuka, Takashi Sakurai, Tetsuo Noda, Osamu Minowa, Katsuhisa Ikeda
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Journal Title
Journal of Clinical Investigation
Volume: 124
Pages: 1598-1607
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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