2014 Fiscal Year Annual Research Report
網膜循環における神経ー血管連関の調節機構の解明と糖尿病網膜症早期診断への臨床応用
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25293352
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
長岡 泰司 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00333691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 陽匡 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60431417)
大谷 真一 旭川医科大学, 大学病院, その他 (70548841)
高橋 淳士 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90422047)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 網膜循環調節 / 神経血管連関 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の検討では、フリッカー刺激時の網膜血流増加反応が神経ー血管連関の評価に有用であることを証明し、非特異的一酸化窒素(N0)合成酵素L-NAME,さらに神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の特異的阻害剤L-NPAを投与することにより、このフリッカー刺激時の血流増加反応が抑制されることを見いだした。この反応は、血管内皮型NOS依存性の血流増加因子であるブラジキニンの反応を阻害せず、nNOS特異的であることが世界で初めて明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はネコin vivo実験において、フリッカー刺激による網膜血流増加反応を捉えることで網膜循環の神経ー血管連関を評価できることを確認した。さらに、網膜循環における神経ー血管連関において、まずはニューロンのnNOSの関与を明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、網膜循環の神経ー血管連関におけるグリアの役割を評価するため、グリアの機能を障害するグリアトキシンを硝子体に投与し、フリッカー刺激時の血流変化について評価したい。また、網膜循環を変動させる生理的因子である高酸素、低酸素、高眼圧などを用いて、グリアトキシン注入前後での変化を比較検討することで、グリアの網膜循環調節についての役割についてさらに詳しく検討したい。また、低下したグリア機能を改善させる薬剤の探索についても検討を加えたいと考えている。臨床研究では、実際に糖尿病患者においてフリッカー刺激を行い、網膜症の進行に伴い神経ー血管連関がどのように障害されるかを評価したい。
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Causes of Carryover |
実験に使用するネコの購入・飼育費が予算の多くを占めるが、諸事情により、今年度は予定の動物数を確保することができなかったため。来年度以降は必要するを確保できるめどはついている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全額ネコの購入費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)