2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25293356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坪田 一男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40163878)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドライアイ / 涙液 / 涙腺 |
Research Abstract |
ドライアイは涙液の異常や角結膜障害等により、眼不快感や視機能異常を伴う慢性疾患で、国内に約2000万人の患者がいるといわれ、シェーグレン症候群のような重症例では著しく視力が低下する。さらに加齢が感覚器に与える影響は大きく、加齢による涙液の安定性および分泌量の低下が、ドライアイの原因の一つと報告されている。ドライアイ患者は常に眼不快感があり、生産性の低下やそれに伴う経済的損失が危惧される。ドライアイ改善はQOL向上だけでなく、経済的側面からも重要である。一方でライフスタイルの欧米化が進み、過食や運動不足による生活習慣病が急増している。生活習慣病は加齢を促進するため、それに伴うドライアイ患者の増加が推測される。しかし、ドライアイ発症メカニズムは不明な部分が多く、根治療法は未だ存在しない。涙液低下やドライアイ発症の分子メカニズムを明らかにし、ドライアイの予防および治療を通して社会に貢献できると考える。 初年度は生活習慣病を発症するマウスの、眼組織における病態を把握する事に注力した。生活習慣病を発症するマウスの涙液分泌能、涙腺および角結膜の組織的学的解析、および酸化ストレス状態を経時的に解析し、ドライアイの病態や程度等を把握する。その結果、本マウスはドライアイの主病変である涙液分泌能力の低下をきたし、ヒトと酷似したドライアイ様病変を示した。しかし、涙腺および角結膜の組織的学的変化および酸化ストレス状態に変化が認められなかった。今後も涙液分泌の変化メカニズムを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では計画的に生活習慣病モデルマウスの解析が進行した。その中で涙液分泌機能低下のメカニズムにせまる結果が着実に得られている。以上の結果からからおおむね順調に進展していると考えられ、次年度以降の計画を予定通り実行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は予定通り進捗している。生活習慣病による涙腺変化に着目した涙液分泌機構の解明を次年度以降も継続して実施することによりドライアイの病態解明に貢献する。ドライアイを発症するマウスにて変動する遺伝子を同定できれば、これまでにない新しいメカニズムの治療法や薬剤開発に繋げられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
詳細は不明だがマウスの結果が少し安定しない場合があり、再現性実験を何度か検証したためにマウスや試薬の購入を控えていた。最終的にはより安定的に涙液が減少する条件を見つけだし、データの精度を含め大幅に改善できたと考える。 よりバラつきの少ない試験系を構築するために若干の研究計画を変更したが、最終的な研究計画には変更はない。今後も優先順位を意識し、計画的に予算を使用していく予定である。
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Research Products
(2 results)