2013 Fiscal Year Annual Research Report
立体三次元構築法を用いた末梢神経交叉移行術後における可塑的神経再生経路の検討
Project/Area Number |
25293362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50196432)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 末梢神経 / 神経交叉 / 神経再生経路 / 3次元解析 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
脊髄・末梢神経レベルでの神経可塑性の存在についての追加確認項目として 1)尺骨神経と筋皮神経を切離し、筋皮神経近位断端と尺骨神経遠位断端を端端縫合する。他の断端は結紮し、近くの筋肉内に埋没固定する。24週後に手術側神経縫合部を中心に神経剥離を行い、頚椎・胸椎移行部の椎弓切除を限局的に行い微小電極を用いてC8,Th1前・後根枝あるいは前角部および後根神経節で誘発電位を記録し、可塑性発現を電気生理的な方法で証明する。2)左側筋皮神経を切離し、その遠位端を神経上膜を一部開窓した尺骨神経に、端側吻合する。24週後にC5,6随節レベルでの誘発電位を①と同じ手法で記録する。 3)コントロールとしてのLacZ Adenovirus vectorによる尺骨および筋皮神経の抗β-galactosidase抗体染色による神経走行の3次元構築による解析を行う。結果的には、動物実験棟の改築工事に伴い、実験動物の飼育、処置が出来ない状況となったため、医局の一部にある実験室に独自でラットおよびマウスを飼育できる設備を設計、発注し学内の許可をえて、動物飼育の準備を終了した。上記1)~3)のうち、最も本質的である3)をコントロールのみでなく交叉モデルを作成し、脊髄および腕神経叢を一塊として標本採取してホールマウント標本を作製する事を最初の目的とした。しかし、当初のラットモデルではホールマウント標本全体を一塊として観察する事は困難なためマウスを用いることに変更した。マウスの上肢で神経交叉を行うことは高度な技術を必要とするため、高倍率顕微鏡下でトレーニングを十分行い、交叉モデルを作成した。又、コントロールを用いてDiを用いることも検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験棟の大々的な改築工事により、新たな実験動物飼育場所を設置し、学内許可を取得しなければならない事態になったことにより、かなりの時間を要した(約5ヵ月間)。 ホールマウント標本を用いて全体標本を行うこととしたので実験動物をマウスに変更することにしたが、マウスの上肢末梢神経はラットより遥かに小さく、特別の微小外科手技が必要となり、その教育に時間を要した。 具体的な実験担当していた大学院生が進路変更のため退学となり、新たな実験担当者を準備しなければならず、実験がしばらく滞ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな実験担当者が決まり、大学院進学予定となったので、入学以前に超微小外科技術を修練中であるが、近いうちにモデル作成技術を習得可能と思われる。まず、目標として尺骨神経と筋皮神経を切離し、筋皮神経近位断端と尺骨神経遠位断端を端端縫合した2組交叉モデルを作成(n=10)し、コントロール実験としてDiをトレーサーに用いて適切な共焦点顕微鏡において3次元解析可能な範囲と限界を確かめる。その後、具体的に12週モデル(n=7)、24週モデル(n=7)を作成し、順次3次元解析を行う。 生理的検討による、可塑性の追加証明は上記が予定どおり進行しはじめたら並行して準備を始める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降に、より高額機器の導入をしたいため 前年度の繰越金を含めて、必要な高額機器の選定、購入予定
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