2015 Fiscal Year Annual Research Report
超音波画像による頸部リンパ節転移診断のためのボリュームレジストレーション法の開発
Project/Area Number |
25293382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪本 真弥 東北大学, 大学病院, 講師 (90157686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
青木 孝文 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80241529)
飯久保 正弘 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80302157)
小嶋 郁穂 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80447169)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ・マイクロバブル / 超音波 / リンパ節 / 転移 / ボリュームレジストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自に開発したボリュームレジストレーション法により、異なるモダリティや造影前後の画像を三次元的に位置合わせしたフュージョン画像を作製し、新たなリンパ節微小転移の画像診断法の開発を目的とする。 我々の研究グループが樹立したリンパ節転移モデルマウスを用い、リンパ節に腫瘍細胞が転移する過程を造影高周波超音波画像と造影マイクロCTで評価した。その結果、転移リンパ節では、転移リンパ節の大きさが変化する前に血管密度が上昇し、転移病巣の形成初期 においては、腫瘍新生血管の増生が認められず、転移リンパ節内に血管の局所欠損がみられることが明らかとなった。また、超音波画像では、評価に不要な画像を除去もしくは補正し、造影剤投与前後の輝度情報もしくは輝度情報の時間変化による分散値で高精度に血管情報を算出するアルゴリズムを作成した結果、マウスの呼吸等による動きに伴う画像のずれやノイズを除去することに成功した。 画像のマッチングは特徴ベースマッチングと領域ベースマッチングの二つに大別される。しかし、どちらの方法を用いても造影超音波画像と造影マイクロCT画像の重ね合わせは難しかった。そこで、空間分解能、組織分解能の高い特殊な条件で撮像した口腔癌患者の微小転移リンパ節の造影前後の3D-MRIを用い、独自に開発した三次元位相限定相関法に基づく高精度レジストレーション法で造影前後画像を重ねあわせたフュージョン画像を作製し、転移リンパ節を評価した。その結果、ボリュームレジストレーションによるフュージョン画像が、従来の造影T1強調像に比べ、局所欠損の検出率が有意に高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の研究グループが樹立したリンパ節転移モデルマウスを用い、リンパ節に腫瘍細胞が転移する過程を造影超音波画像と造影マイクロCTで評価した結果、転移リンパ節では転移リンパ節の大きさが変化する前に血管密度が上昇し、転移リンパ節内では血管の局所欠損がみられることが明らかとなった。当初の予定であった造影超音波画像と造影マイクロCT画像の重ね合わせは難しかったが、空間分解能、組織分解能の高い特殊な条件で撮像した口腔癌患者の微小転移リンパ節の造影前後のMRIを用い、独自に開発した三次元位相限定相関法に基づく高精度レジストレーション法で造影前後画像を重ねあわせたフュージョン画像を作製し、転移リンパ節を評価した。その結果、フュージョン画像が、従来の造影T1強調像に比べ、局所欠損の検出率が有意に高いことが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌患者の頸部リンパ節の術前の造影前後のMRIから作製したフュージョン画像と切除したリンパ節の病理組織画像とを比較検討し、微小転移リンパ節の画像所見を明らかにし、臨床応用を目指し遂行する。
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Causes of Carryover |
資料収集などの旅費や消耗品などの物品費が当初の予定よりかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リンパ節転移マウスモデルを用いて、腫瘍がリンパ節に転移する過程をナノ・マイクロバブル造影剤を用いた高周波超音波と実験動物用マイクロCTを用いて観察する。CTと超音波画像の正確なマッチングは難しいことがわかったためこれまでの研究で明らかとなった、CTと超音波の血管密度を等しくすることで、従来の画像解析より正確に転移巣を解析できる手法を用いて超音波像とマイクロCT像を比較検討する。 さらに、口腔癌患者の微小転移の頸部リンパ節を従来のMRIより空間分解能が高く、リンパ節内の性状を描出可能な特殊な方法で撮像する。これまでの研究成果として、転移リンパ節内の性状の把握に有用なことが明らかとなったことから、どのようなフュージョン画像が微小転移の診断に適しているのかを検討する。フュージョン画像を病理組織像と比較し、微小転移の特徴的な画像所見を明らかにし、微小転移リンパ節のMR診断法を確立する。
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Research Products
(13 results)