2014 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマジェット照射による新しいインプラントリカバリーシステムの構築
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25293390
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50292222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
成島 尚之 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20198394)
金子 俊郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30312599)
川下 将一 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (70314234)
工藤 忠明 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / プラズマ / 生体材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科用インプラントは予知性の高い治療法として広く普及しているが、一方で長期経過の中でインプラント周囲炎での骨吸収により、インプラントの撤去を余儀なくされたり、歯槽骨吸収に伴うインプラント露出による機能的、審美的な障害が問題となっている。しかしながら、現在のところ、このような病態に対する画期的な解決方法はなく、臨床現場で重要な課題となっている。そこで本研究では、問題の生じたインプラントを撤去することなく口腔内で機能的かつ形態的な回復を獲得する方法として、①強力な殺菌、不良組織除去、②インプラント表面再活性化処理、③組織再生を3本柱とする全く新しい手法による口腔内でのリカバリーシステム開発を目的とした。具体的には、近年医療分野での注目を集めている低温プラズマジェットの最新技術を応用し (Kaneko T et al, 2012)、生体活性を失ったインプラントに対して、口腔内で安全に殺菌および表面再活性化処理を行うことで、良好な組織再生を促進するリカバリーシステムの構築を目指す。 平成26年度には、年度内達成目標として「in vitro系、in vivo系での炎症環境モデルにおける再活性化条件の確立」を掲げ、①in vitro系での炎症環境モデルにおける再活性化、および②in vivo系での炎症環境モデルにおける再活性化に関する検討を行った。具体的には、トランスウェル法により擬似的に炎症環境モデルを作成し、チタン円板上に上ラット由来Rat-1線維芽細胞株を擬似的炎症環境下において培養した後、プラズマ照射および低温アルカリ処理によりチタン表面の再活性化を行った。その際に、チタン円板上の付着細胞や残留タンパクを評価し、さらに、擬似体液(SBF)浸漬によるアパタイト形成を評価することにより、再活性化条件の最適化を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度には、年度内の研究計画に予定していた各項目について、ほぼ予定通り研究を完了していることから、年度内達成目標はほぼ達成していると考えている。そのため、「現在までの達成度」についても、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度には、年度内の研究計画に予定していた各項目について、ほぼ予定通り研究を完了し、年度内達成目標はほぼ達成している。そのため、今後の研究については、平成26年度に得られた結果をもとにして、当初計画の通り、下記の手順で継続して研究を遂行していく予定である。 1)in vitro系での再活性化による細胞活性評価 2)in vivo系での再活性化による組織再生評価 3)口腔内でのインプラントリカバリーシステムの構築
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Causes of Carryover |
当該年度も前年度に引き続き、次年度使用額が生じたが、その理由としては研究遂行の効率化によるところが大きい。当該年度である平成26年度に研究計画として予定していた各項目については、ほぼ予定通り研究を完了しており、年度内の達成目標もほぼ達成していることからも、研究遂行の効率化が執行予算の軽減につながったと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの研究遂行における効率化により生じた次年度使用額については、さらなる研究の推進のため、有効に利用する予定である。具体的には、臨床への応用に一歩でも近づけるように、細胞実験や動物モデル実験をさらに詳細に行っていく予定である。
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