2013 Fiscal Year Annual Research Report
成熟脂肪細胞のDirect Reprogrammingによる骨再生システムの開発
Project/Area Number |
25293413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝比奈 泉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 吉慶 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50456654)
小守 壽文 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00252677)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨再生 / ダイレクトリプログラム / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
成熟脂肪細胞を骨芽細胞へ分化転換させる遺伝子の候補を探索するために、本年度はまず培養脂肪由来MSCs(ADMSC)を使用して、それを効果的に骨芽細胞へ分化誘導する遺伝子の探索を行った。候補遺伝子としては、Runx2、Wnt3a、およびBMP4を使用した。実験は、まずこの各遺伝子をエレクトロポレーション法によってADMSCと骨髄由来MSCs(BMMSC)に導入し、その後の骨芽細胞分化の状態を評価することから始めた。その結果、BMMSCではRunx2、Wnt3a、BMP4のいずれも導入後の培養において、ALP活性の有意な上昇と骨芽細胞分化の後期マーカーであるOpsteocalcin(OC)やBone sialoprotein(BSP)のmRNA発現上昇を認めた。しかしながら、ADMSCではRunx2を導入した時に同様の傾向を認めたものの、Wnt3aやBMP4の導入では効果が十分ではないことが明らかになった。我々の以前の研究からADSCはBMSCと比較してより未分化な状態にあると考えられるため、BMP4などの分泌蛋白より、転写因子であるRunx2の導入の方が、未分化状態が高いADSCから骨芽細胞分化を誘導するのに有効であると考えられた。現在、同様の実験を成熟脂肪細胞から天井培養にて抽出した前駆脂肪細胞にて行なっているところである。 次に、候補遺伝子を組み込んだ基質(GAM)を生体に移植することで、移植部位における生体細胞の遺伝子の取り込みによる骨形成が可能かどうかを確認するための実験を計画した。実験は、まずアテロコラーゲンとβ-TCPからなる基質にGFPとRunx2遺伝子を搭載したプラスミドベクターを組み込んだGAMを作製し、マウス頭蓋骨上に移植を行った。評価は、移植2週後の移植試料におけるGFPの発現と、移植4,8週後の骨形成の程度を組織学的に解析を現在行っているところであるが、Runx2遺伝子を搭載したGAMの骨形成促進作用を一部認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子の選定についての実験は進行が若干遅れがちではあるが、これは当初次年度以降に予定していたGAMを使用したin vivoでの検討を本年度から開始したためである。そのため、おおむね計画は順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験は、当初の計画通りに進行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度末に動物への移植を予定していたが、プラスミドの調整に問題が生じ、移植を延期したため、動物の購入も延期した。 延期した移植実験用の動物を次年度当初に購入するつもりである。
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