2014 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンNANOモデル解析による骨改造の新たな機序の探索
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25293419
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上岡 寛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80253219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀尾 佳貴 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60611431)
住吉 久美 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80625161)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FIB-SEM / コラーゲン / 石灰化 / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、直交配置型FIB-SEMを用いて未脱灰骨組織中の細胞とコラーゲン線維、および石灰化部位の観察を行い、3次元再構築を行った。方法として、ニワトリ胚の頭蓋骨を試料とした。試料は固定後、還元型オスミウム溶液、チオカルボヒドラジド溶液、オスミウム水溶液、酢酸イッテルビウム溶液、アスパラギン酸鉛溶液に浸漬した。その後脱水し、エポキシ樹脂を用いて包埋した。重合後、4×4×1㎜幅に研磨した。観察には、直交配置型FIB-SEM(SIIナノテク製,SMF-1000)を用いた。典型例としては、SEM加速電圧1kV、インレンズ二次電子検出器で観察し、25μm四方の領域を70nmのスライスピッチで360枚(25μm厚)観察し、3次元像を再構築した。結果、骨表面の細胞層から骨深部石灰化層までを含む範囲を観察することができた。また、同時に骨芽細胞と骨基質の境界を含む範囲も詳細に観察できた。表層から、扁平な細胞層、骨芽細胞層、幼弱骨細胞層、成熟骨細胞層が深部にかけて観察された。さらに、骨芽細胞と骨基質の境界では、骨芽細胞から産生されているコラーゲン細線維が観察され、3次元立体構築することによって、コラーゲン細線維が平行にしかも束状に放出されている像が観察された。さらに深部において結晶構造を形成し始めている石灰化像を観察することができた。よって、直交配置型FIB-SEMを用いて、未脱灰骨組織より、骨系細胞及びコラーゲン線維、石灰化部位の高詳細かつ3次元的観察を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、研究の目的の一つである骨の微細構造の観察は、FIB-SEMで行うことが可能となった。この方法では、未脱灰の骨組織も詳細に観察することができるので、コラーゲンの走行と石灰化の関係を3次元的に追求することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに、FIB-SEMを用いた骨微細構造の関係を観察することが可能となったので、今後は多光子励起顕微鏡による骨のリアルイメージングを行って行く。現在、その基礎的な研究について京都大学再生医科学研究所の安達泰治教授と準備を行っている。
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Causes of Carryover |
予定していた出張が取りやめになったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張経費に使用する
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Research Products
(7 results)