2013 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハ病棟における脳梗塞再発予防教育プログラムの開発とその効果に関する研究
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25293448
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
百田 武司 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (30432305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 美知子 広島大学, その他の研究科, 教授 (80264977)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 回復期リハ病棟 / 脳卒中 / 再発予防 / 介入研究 / RCT |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、介入プログラムを確立するために、我が国の回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)における、脳梗塞再発予防教育の実態をアンケートにより全国調査した。アンケートは、先行研究から自作した。一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会の計970施設の回復期リハ病棟にかかわる施設の脳梗塞再発予防教育の事情をよく知っている看護師(各施設1名)に,郵送で調査票の回答を依頼した。回収は381通(回収率39.3%)であった。その結果、脳卒中再発予防教育の実施率は61.2%であったが、入院時や退院時などの一時的な指導が多く、入院中のプログラムとして脳卒中再発予防教育を行っているのは12.0%に過ぎなかった。しかしながら、回復期リハ病棟入院中に脳卒中再発予防指導が必要とする施設が96.6%であり、その理由として、再発予防教育のための人手が不足しているためや、再発予防教育の教え方がわからないためという意見が、約半数を占めた。この調査から、回復期リハ病棟に入院中における再発予防教育としては、プログラムとして実施することと、教育方法を介入者による均一化を担保する必要を確認した。 次に、再発予防教育介入プログラムを構築した。この過程で、専門医や専門看護師等、脳卒中医療のスペシャリストからアドバイスを受け、プログラムテキストと自己管理手帳を作成した。さらに、介入プロトコルを作成した。再発予防教育プログラムは、入院中の継続的介入とし、プログラム参加者の自己決定性を主とする学習支援型とした。また、プログラムの到達目標は、回復期リハ病棟入院中の脳梗塞患者が、再発予防のための自己管理ができることとし、それを退院後6ヶ月間で測定することとした。また、プログラムは、診療ガイドラインから教育内容の抽出し、エビデンスに基づいたものとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず、介入プログラムを確立するための全国調査のアンケートの回収・収集で、当初の予想に反してアンケートの回収率が悪く、回収率を上げるために回収期間を延長した。その結果、約40%の回収率を得たため、信頼性のあるものが得られた。また、集計も順調に進み、現在、記述統計まで出している。以上から、介入プログラムを確立するための全国調査のアンケートについては、当初の予定に到達した。 次に、再発予防教育介入プログラムの構築であるが、前述のアンケート調査の回収・集計が遅れたため、それに伴い遅れが生じた。しかしながら、その後は順調に経過し、介入に使用する媒体であるプログラムテキストと自己管理手帳は完成した。また、介入プロトコルも作成でき、教育内容の標準化、手順、教材の作成等が完了したため、介入プログラムはほぼ確立した。さらに、介入効果を測定する尺度についても選定や、作成が完了した。しかしながら、当初、研究倫理審査の受審までを予定にしていたが、そこまでは至らず、早急に受診する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、研究倫理審査を受審する。同時に、研究対象施設で教育的介入を実施する看護職への教育と、教育的介入の体制を確立する。そして、研究倫理審査で許可が出次第、対象者をリクルートし、回復期リハ病棟入院中の脳梗塞患者を対象に、再発予防教育的介入を実施し、評価指標を測定する。 1)対象:研究施設の回復期リハ病棟に入院中の脳梗塞患者のうち、以下の条件をみたす者を、研究施設の主治医に選定してもらう。①対象の選択基準: A)40歳以上、80歳未満の成人で、研究参加に同意を得た者。B)入院の理由となった診断名が、脳梗塞(心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他の脳梗塞)である。C)リクルート時点の脳梗塞重症度が、mRSで、0~4まで。 2)介入方法:①研究デザイン:無作為化比較対照試験、②対照群:従来通りの治療や教育を受ける。研究者による特別な教育は実施しない。自己申告データと検査データを、介入群と同じテーブルに沿って、データの提出を依頼する。 3)データの分析方法:個人属性と指標のベースライン比較、本研究の介入群と対照群の2群間の比較 4)成果の公表等:回復期リハ病棟に入院中の脳梗塞患者に、再発予防を目的とした患者教育を、無作為化比較試験にて実施することによる、危険因子(データ)の変化及び行動変容から判定される再発・合併症予防効果等について検討し、教育的介入による効果や影響要因を検証し、得られた結果を取りまとめ、随時成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
まずは全国調査を実施し、その結果に基づいてプログラムを開発し、今年度中に介入研究を実施する計画であった。しかしながら、全国調査の結果の改修が遅れ、プログラム開発が遅れた。そのため、介入の実施もずれ込んだため、介入に必要な人件費を計画通り使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度遅れた介入を実施していくため、前年度使用しなかった人件費を使用する。
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Research Products
(2 results)