2015 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の最適身体活動量の維持をめざす多機能携帯電話利用看護支援システムの検証
Project/Area Number |
25293450
|
Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
外崎 明子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (20317621)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 智史 東京理科大学, 理工学部, 助教 (20385529)
田畑 耕治 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30453814)
浅野 真誠 徳山工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80408707)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 癌化学療法 / 発熱性好中球減少症 / 有害事象 / 情報通信システム / 発症予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は外来化学療法(以下、化療)患者の重症有害事象の予測式を作成すること、さらに対象患者にTablet PCを配布し、患者は prospectiveに身体状況のデータを送信し、予測式から推計される発熱性好中球発症(以下、FN)リスク度判定と合算して、発症の危険性が高まった場合にはアラートを発する通信システムを構築することを目的としている。研究3年目の本年度の研究実績は下記の内容であった。 1.有害事象発症予測式のための解析:国立国際医療研究センター病院で肺がん、大腸がん、乳がんで過去3年間に骨髄抑制が有害事象として起こる危険性のある抗がん剤を含むレジメンを規定投与量の60%以上投与された化療患者194例について、抗がん剤投与日から 21日間に、FNの定義に該当、あるいは白血球数、好中球はFNの判定値以上であったが37.5℃以上の発熱者等について、影響因子を探索した。 2.相互通信システムの開発:患者にTabletPCを配布し、このTabletPC上のWebブラウザを介してサーバPCにアクセスし、ここで送信された日々の身体状況と患者個々のリスク度を合算し、必要時には受診勧告などのアラートを発するシステム開発。 3.英国研究チームとの交流:化療患者の身体活動の促進と療養生活のモニタリングを行うシステムを開発中のKing's College of London (KCL) Florence Nightingale School of Nursing and Midwiferyの研究チームとの意見交換で、対象者は治療開始前、体調の変化が懸念される場合は医療者への早期連絡を指導されているが、どの程度の状況をいつ相談すべきなのかの判断がつかないという問題を抱えており、通信システムは患者の心理的な負担感や不安の軽減効果があることを、確認しあった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
推計式作成に必要とするデータについて、調査施設の電子カルテより施設が作成したデータ収集ソフトを活用して収集した。これらのデータを処理可能な形式に連結する作業に予測以上の時間を要した。現在、この作業は完了し、推定式の精度を高める作業中であり、今後は在宅患者に通信機器を配布して在宅療養中のprospectiveなデータを通信するシステムを構築していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度の今年度は以下のように研究を推進する。 1.推定式の精度を高め、この推定式を搭載し、在宅患者からデータを収集し、必要時に受診を勧告するなど、有害事象のモニタリングを行うことと、異常時には早期対応を促進させること、以上を備えた相互通信システムを構築する。 2.上記システムを運用してデータを収集する研究計画書を研究倫理審査会に申請し、承認後よりデータ収集を開始する。 3.これまでのシステム開発の経過および予備調査結果について、学会報告および誌上報告を行い、研究成果を公表する。
|
Causes of Carryover |
Tablet PCに搭載するソフト開発が終了しておらず、Tablet PC購入費用、通信費用が使用されなかったため。さらに予備調査結果の公表が遅れており、このための英文校正費用、論文掲載費用が使用されなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
Tablet PCによるデータ収集ための物品購入費、通信費、データ収集のためのリサーチナースへの謝金。さらに研究成果公表のための費用とする予定。
|