2013 Fiscal Year Research-status Report
FOP患者の異所性骨化を補う在宅ケア技術の開発を目指したアクションリサーチ
Project/Area Number |
25293454
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
桑田 弘美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70324316)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 みゆき 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20263494)
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
白坂 真紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378443)
曽我 浩美 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40614045)
坂本 裕 岐阜大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20310039)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 家族看護学 / 希少難病 / FOP / 異所性骨化 / アクションリサーチ / 動作分析 |
Research Abstract |
平成25年度では、リサーチチームを形成し、アクションを行うためのフィールドを整備してきた。リサーチチームを研究分担者らと形成した後、必要な装具の作成を依頼し、準備した。FOP(Fibrodysplasia Ossificans Prigressiva:進行性骨化性線維異形性症)と診断された患者には、小児期に異所性骨化に伴う家族の体験として、生下時から身体の硬さを認識し、思いもよらない成長過程に違和感がある特異な身体の発育を自覚していたことが明らかとなっている。身体の硬さを軽減しようと幼児期には、運動することを推奨し、病気の無知による不適切なケアをしていることもあった。福祉サービスを効果的に利用できないこともあったが、年齢と共に進行する不自由さを補うため、ADLを補助する器具を作成していた。研究者らは、看護職者が患者の異所性骨化による身体硬化に対応できる技術を考案し在宅ケアに生かすために、患者の動きを妨げる要因について分析を行った。多くの患者は生後、外反母趾様の変形がみられ、すでに定頚していた。そのため、成長・発達は進むが、頭突きをするような格好のハイハイをし、立位になっても足元を見ることができないために、衝突や打撲などの事故に遭いやすいという状況となっていた。2~3歳から異所性骨化の前駆症状として腫瘤を形成したフレアアップという強い炎症症状が現れ、炎症が治まった頃には主に関節の運動障害として残っていったのである。 そこで、肘関節、膝関節、股関節、腰椎が屈曲できない状態を装具で設定し、まず、立ち上がりに関する動作分析を行う。 患者の動きを妨げる要因や運動障害に関しては、Families' experiences of the heterotopic ossification occurred in children with FOP として、国際学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異所性骨化による運動障害を明らかにした後に、運動障害を想定する装具作成を依頼したが、思ったより時間がかかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
明らかとなったFOP患者の運動障害を想定した装具を装着した対象者について、ベッドからの起床、車椅子への移動、整容、食事摂取において、FOP患者の姿勢を再現し、動作分析を行った後、様々なケア技術の方法を工夫し、試行する。どの技術が、どのように困難となるのかを明らかにし、その困難さを少しでも解消できる方策について、検討する。動作分析は、患者のケアを受ける動作と家族のケア動作の流れをチャート化することで、具体的な介助方法を考案するための手がかりとなるものである。 ミューチュアルアプローチによるアクションリサーチの手法で、研究者間でその方策に関する計画を立案し、検討した看護技術を家族に提案する。実践・分析からリフレクションを行い、再計画に繋いでいく。 アクションリサーチのアウトカムは、患者本人と家族のケアの動作分析と介護負担感スケールを用いて、看護技術のコツを形式知にし、介助時間の短縮と介護負担感を評価し、家族がケア技術の獲得をすることで示すため、リフレクションを繰り返すことで精度を高めていく。
|
Research Products
(9 results)