2015 Fiscal Year Research-status Report
FOP患者の異所性骨化を補う在宅ケア技術の開発を目指したアクションリサーチ
Project/Area Number |
25293454
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
桑田 弘美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70324316)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 みゆき 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20263494)
坂本 裕 岐阜大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20310039)
白坂 真紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378443)
曽我 浩美 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40614045)
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | FOP患者 / 異所性骨化 / 運動障害 / 動作分析 / 看護技術の工夫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度から27年度にかけて、実際にFOP(進行性骨化性線維異形成症)患者の動きを妨げる状況を患者からの訴えにより把握し、患者の姿勢について検討した。 患者が訴える表現として、「首が動かない」、「横になると頭が浮く」、「口の開きが悪くなった」、「手を伸ばせない」、「腕が上がらない」、「長い柄を付けたフォークを使う」、「立ってご飯を食べる」、「腕が曲ったまま」、「衣服の着脱ができない」、「トイレで下着をつけることができない」、「身体を洗うことができない」、「浴槽を跨げない」、「少し高さがある椅子でないと座れない」、「足が上がらない」、「足の付け根が曲がらない」、「身体が前に傾いてきた」などである。 FOPの運動障害は頸部から始まり、上記の患者の表現からは、顎関節、肩関節、肘関節、股関節、膝関節、距腿関節、頸椎、胸椎、腰椎を中心に骨格筋が骨化していたと考えられた。関節が屈曲・伸展できないことで、臥床の状態から立位に、立位から臥床に体位変換を行うことが難しい。動作分析では、「主動部分」として頸部、四肢、「固定部分」として体幹部分を指す。仰臥位から起き上がるためには、側臥位になり、上肢を使って体幹を起こすが、それは、仰臥位の状態で頭部が拳上され、頭部を回転する方向に向けながら、上肢が動き始め、身体が捻じれることで、腰部や下肢が移動するからである。頸椎の動きが重要になるが、FOP患者のほとんどは頸部が動かない。そのため、就寝中の体位変換、仰臥位から坐位、坐位から端坐位、端坐位から立位は大きな困難を伴う。看護師が仰臥位の患者を起こす際には、頭部を前傾させるように支えて介助するが、FOP患者では、頸椎が曲がらないために頭部を前傾させることができず、介助に数倍の力が必要になる。 最もケア負担の少ない看護技術を工夫し、家族が習得しやすいケア技術を提供したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
教員としての業務において、看護学科長を拝命し、途端に管理業務が増大して研究時間が以前ほど自由に取れなくなったことと、研究分担者の一人が他大学に異動したこと、研究協力者として想定していた患者の都合が悪くなり、別の協力者を探さなければならないことや、FOP患者は、200万人に1人という希少難病であり、アクションリサーチチームの一員として依頼するためには、研究者らの研究拠点からかなり離れた人に依頼することとなるため、研究チームを再検討しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
工夫した看護技術を家族が習得できるように、丁寧に介入するために、研究チームを再構築すること、研究協力者を早急に依頼することであるが、新たな研究協力者として依頼したい人には、アプローチ済みであり、
|
Causes of Carryover |
研究代表者の業務において、看護学科長を拝命したことで、管理業務が激増したために、研究する時間が減少したことと、研究協力者として想定していた患者の都合で依頼できなくなったため、新たな協力者を依頼しなければならなくなった。FOPは200万人に1人という希少難病であり、計算上は60人ほどの患者の存在があると思われるが、患者会の名簿上では、全国で約30人しかいない。そのため、協力を依頼するためには、研究者らの研究拠点から離れた地域になる可能性もあり、慎重に依頼の準備をしているところである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者が決まり次第、個人の状況に合わせた看護技術の工夫を行い、家族が習得できるような環境を構築するための移動にかかる旅費と、研究成果を発表するための旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)