2013 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者の Self-care Assessment Tool の臨床活用
Project/Area Number |
25293466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
中山 洋子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Self-care / 精神障害者 / 精神看護学 |
Research Abstract |
本研究は、研究成果を臨床活用するために必要となる精神科看護師の実践能力の向上とそのための教育方法を明らかにすることを目的にしている。平成25年度は、研究者らが開発した日本語版 Self-care Assessment ToolをOrem-Underwood 理論に基づくセルフケア看護を実践してきている研究協力者8名に実際に使う状況を想定して評価してもらった。その結果、以下の点が問題として明らかになった。①開発されている日本語版 Self-care Assessment Tool は、短期入院の精神障害者には適用できるが、入院が長期化し、ホスピタリズムの克服が課題になっている精神障害者には適用することが難しい項目がある。②入院中の患者の場合は、Assessment としてではなく基本情報として収集しておいた方が良い情報やすでに得られている情報もあり、Assessmentするにあたって必要となる基本項目の整理をした方がよい。 これらを踏まえて、以下のことを検討した。①開発された日本版 Self-care Assessment Toolの項目をさらに洗練するとともに、これを修正し、長期入院患者用を別に作成する。すなわち、2種類のSelf-care Assessment Toolを作成する。②臨床の精神科看護師がこれを用いて看護ケアを展開するためには、項目ごとにAssessment を何のためにどのように行うかについての解説をつけ、単にセルフケアレベルの Assessmentをするだけではなく、Tool を用いることで看護師の関心の向け方や援助の方向性が見いだせるようにする。 また、実際に活用するにあたって、Self-care Assessment Tool を用いてケアを展開するために必要となる基礎知識についての検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発された日本語版Self-care Assessment Toolを実際に臨床でどのように使えるかの検討のプロセスで、どのような状況にある精神障害者に適用するかによって項目が異なることが明らかになった。すなわち、精神科病院の入院患者の状況は病棟によって異なり、特に多くの病院で、未だに長期在院となっている精神障害者の地域移行が重要な課題となっている。したがって、臨床側の必要性としては、長期在院患者のセルフケアレベルを上げていく援助を展開するための Self-care AssessmentToolの開発が必要であり、その課題にも取り組むことになった。そのために研究計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実施する計画であった Self-care Assessment Tool の臨床における実行可能性についての検討ができなかった。これについては臨床側の協力体制は十分に作られ、Self-care Assessmnt Tool の作成が待たれている状況にあるので、平成26年度の早い時期に実施する。また、実行可能性の検討と同時に実践するにあたっての知識と実践活用をするにあたって必要となる看護師の能力を明らかにし、学習とワークショップの実施につなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Self-care Assessment Toolの手引きの作成が遅れたために、臨床側での臨床活用にかかわる調査が実施できなかった。そのため臨床活用にかかわる調査に必要な経費と旅費、Underwood 博士の助言を得るための経費を残してしまった。 物品費(実践の場で使用するノートパソコン、文房具、USBメモリ等)890,598円、旅費(福島-高知間の旅費、ワークショップの参加旅費等)1,500,000円、人件費・謝金(専門家による助言に対する謝金、データ整理のアルバイト料)500,000円、その他(修正した日本語版 Self-care Assessment Toolの翻訳料)600,000円に使用する計画である。
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