2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯科専門職との連携による更年期女性と在宅高齢者の口腔ケアの質の向上に関する研究
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25293469
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡田 忍 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00334178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 和代 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00149254)
森 恵美 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (10230062)
石井 邦子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70247302)
麻生 智子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80248848)
大滝 千智 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (00719891)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 更年期 / 在宅 / 高齢者 / 歯科専門職 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、25年度に行った訪問看護ステーション、訪問看護ステーション利用者および女性介護者を対象とした質問紙調査を継続して実施し、結果の分析を行った。25年度の調査と合わせて46件の訪問看護ステーション、41名の利用者、42名の女性介護者から質問紙を回収した。訪問看護ステーションにおける口腔ケアの現状としては、必要な利用者に対しては34件(73.9%)が口腔のアセスメントを実施していたが、アセスメントシートを用いているステーションはほとんどなかった。またうち18件(47.4%)がアセスメント時に困難を感じたことがあった。口腔ケアにおいて困難を感じる内容は、「開口・閉口状態の維持困難」32件(69.6%)、「閉口困難」10件(21.7%)、「高度の誤嚥のリスク」26件(56.5%)、「ケアの拒否」29件(63.0%)であった。歯科専門職へのコンサルテーションは、33件(71.7%)が行ったことがあり、訪問診療を行っている歯科に直接依頼したり、ケアマネを介して依頼を行っていた。歯科専門職のケアへの同行ヲ行ったことがあるステーションは18件(39.1%)であった。回答した訪問看護利用者のうち29名(46.8%)は要介護4・5で、経口摂取は27名(43.5%)、胃瘻は8名(12.9%)であった。口腔ケアの頻度は1日1~2回が22名(35.5%)と最も多かったが、ほとんど行っていないという利用者も4名あった。利用者の口腔の状態で最も頻度が高かったのは口腔乾燥であった(「あてはまる」「ややあてはまる」合わせて11名(17.8%))。訪問看護師の行う口腔ケアについては、「定期的なアセスメント」「必要性の説明」「ケアの指導」「情報提供」のいずれについても「まったくあてはまらない」と回答した利用者が9~15名にのぼっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訪問看護ステーション、訪問看護利用者および女性介護者の質問紙調査の回収率が非常に低く、実態を把握し、介入の示唆を得るためには不十分と考えられた。そこで、研究協力者による手渡しでの依頼を追加で行ったため、回収に時間を要したことによる。また、ステーションを介した利用者、女性介護者への依頼が1ステーションあたり1組程度であったことから、更年期女性の口腔の実態を把握するにはさらに調査を継続することが必要となったためである。また、実態調査を介してその後の介入を行う訪問看護ステーションのリクルートを予定していたが、研究参加についての意思を示した訪問看護ステーションがなく、介入を開始するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問看護ステーションと利用者のアンケートに基づいて、訪問看護の現場で困難を感じている内容を中心とした口腔ケアの研修会を研究協力者の協力を得て実施し、参加した訪問看護ステーションに介入調査への協力を依頼する予定である。 更年期女性については、女性介護者だけでは実態の把握が困難であることから、研究代表者、研究分担者の所属する看護系大学の学生を介して、自分の母親など更年期女性に研究協力の依頼を行い、十分なデータを収集することを予定している。また、更年期女性への介入については、研究者が直接介入するよりも、自治体で実施している口腔疾患検診の効果を研究として明らかにすることによって、低いレベルにとどまっている受診率を上げることが現実的と考えられ、今後は受診者と未受診者の口腔状態の比較から、口腔疾患検診の有用性について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に質問紙調査に協力してくれた訪問看護ステーションへの結果の返却、訪問看護ステーションを対象とした口腔ケアの研修会を参加する予定であったが、平成27年度に開催することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
訪問看護ステーションへの質問紙調査の結果返却の郵送料金、研修会の案内、会場費、講師謝金に使用する。
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Research Products
(2 results)