2013 Fiscal Year Annual Research Report
地方政治の中・露・印比較─社会政策,地方自治,政党政治
Project/Area Number |
25300009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田原 史起 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20308563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松里 公孝 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20240640)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (90596793)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / ロシア / インド |
Research Abstract |
初年度にあたる平成25年度は本研究の準備年度として,以下の(1), (2), (3)の活動を同時並行的に進め,それぞれ微調整を行いながら研究の焦点を絞り込み,3年間の研究の基礎を固めた。 (1) 調査地点の選定と予備調査: 当初は三人のメンバーが自らの専門外地域に一回ずつ,合計二回の現地調査を実施する予定であった。主としてメンバーの時間的制約からこの目標自体は達成できなかったが,ともかくも専門地域以外への調査は実施できた。具体的には,研究代表者の田原(中国研究者)と研究分担者の松里(ロシア研究者)が8-9月にかけてロシア・タタルスタン共和国カムスコエ・ウスチエ郡T村で調査を行った。また松里(ロシア研究者)は10月に中国・甘粛省の東郷族居住地域で調査を実施した。研究分担者の中溝(インド研究者)の中国,ロシアへの今年度中の調査はかなわなかった。 (2) 地方政治の概況の把握: 上記のロシアおよび中国の調査において,調査地の地域社会を構成する諸要素について基本的な理解を得た。すなわち,①地理的条件: 気候,風土,植生,地形,中心地への交通手段,集落分布など,②社会的条件: 家族構成,集落の姓氏構成,宗族活動,教会・宗教組織,その他各種民間組織活動など,③経済的条件: 土地経営,農業経営,郷鎮企業,農家副業,出稼ぎ,農業企業の状況など,さらに④政治的条件: フォーマルな自治・行政組織,政党組織,地域リーダー構成などである。 (3) 問題意識の再統合: 上記(1)および(2)の作業過程でメンバーが得た知見については,随時,調査地現地や国内でのミーティングで報告し合い,意見交換を行った。これにより,平成26年度以降に実施されるべき調査項目と全体の問題意識の練り直し・再調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り,中国研究者のロシア調査とロシア研究者の中国調査は先行課題からの継続で二度目以上の現地訪問となり,深化している点は評価できるが,インド研究者の中国,ロシア調査がまだ実現していない点が新年度において克服すべき課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に鑑みて,平成26年度においてはメンバー間の連携をさらに固める予定である。現時点の計画では,インド研究者である中溝のロシア・ダゲスタン共和国での調査を松里の同行により夏に,中国・山東省および江西省での調査を田原の同行により冬季に実施するつもりである。また,田原はインド,アンドラプラデーシュで4-6月の二か月間の村落調査を行い,また7月後半にはロシア・タンボフ州でも同様の村落調査を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中国およびロシアへの出張を見込んでいた分担者が,メンバーの間の時間的制約から出張・現地調査を実施できなかったため。 今年度は分担者の中国,ロシアへの出張が実現できるよう準備を進めており,十分に執行が可能である。
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Research Products
(17 results)