2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト震災社会の社会的多様性と宗教に関する国際比較研究
Project/Area Number |
25300021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00305400)
佐島 隆 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40192596)
何 燕生 郡山女子大学短期大学部, 文化学科, 教授 (00292186)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 災害 / 宗教 / マイノリティ / 国際比較 |
Research Abstract |
2013年度にはまず5月2日に、全体での会合をおこなって研究分担者および協力者全員で問題意識の共有をおこなうと共に今年度の研究方針について話し合った。本研究では日本、インドネシア、トルコ、中国の被災地におけるマイノリティの問題をとりあげるが、それぞれの地域でマイノリティの置かれた政治的状況は異なっているため、今年度はとりわけそれぞれの地域におけるマイノリティの概況について調査すると共に、現地機関との連携を模索することを重点的な課題とすることとした。 以上の課題を遂行するため、まずはそれぞれの分担ごとに国内における資料調査、他研究者からの情報収集活動をおこなった。インドネシアに関しては当地でのマイノリティ宗教である仏教について、国内で資料調査と聞き取りをおこなった。また、トルコに関しては研究会を開催して情報の収集をおこなっている。中国に関しても、国内諸機関あるいはインターネットなどを通して現地の状況の把握をおこなった。 次に、これらの予備的調査をふまえてそれぞれの地域において現地調査をおこなった。インドネシアではスマトラ島の被災地2箇所でマイノリティ宗教の信者たちから聞き取りをおこなうとともに、ジャワにおいては民間信仰的実践や宗教間協力についての調査もおこなった。また、ガジャマダ大学の宗教学および異文化研究センターと研究協力についての協議もおこなった。トルコに関しても、イスタンブール周辺での調査、ミマル・シナン芸工大学との研究協議、中国でも四川周辺での調査、四川大学・北京大学の研究者との協議がおこなわれ、各地域におけるマイノリティ宗教、とりわけ前者ではアレヴィ派、後者ではムスリムの概況を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地における調査、協力体制の構築ともに順調に進んでいるといえる。とりわけ、研究協力体制については、担当の研究分担者がインドネシアのガジャマダ大学、トルコのミマル・シナン芸工大学、中国の四川大学を直接訪問し、現地で同様の関心をもつ研究者と膝を交えて話し合い、信頼関係を築くとともに今後の研究のあり方について具体的に話し合うことができたのは大きな成果であった。インドネシアでは来年度のワークショップへと向けたスケジュールの調整もなされた。 また、調査についても、地域によって程度の差はあるが、それぞれが現地のマイノリティ宗教のコミュニティに接触し、調査に関して好意的な反応を得ることができた。これらによって、来年度以降の本格的な調査の足がかりを作ることができた。 ただし、トルコ、中国については政治的な不安定要因もあり、今後も情勢に注意を払いながらもし必要であれば研究計画を練り直して行くことにする。
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Strategy for Future Research Activity |
各地で今年度構築した現地社会や機関との協力・信頼関係を基盤にしながら、2014年度には、現地のマイノリティ社会における調査をおこなう。また、東日本大震災の事例も視野に入れたワークショップをインドネシア・ガジャマダ大学で行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、初年度にインドネシアでワークショップ開催予定であったためそのための準備と分担者のうち一名の旅費を計上してあったが、協議の上具体的な成果のあがる翌年度以降に延期したため。 2014年度にインドネシアでワークショップを開催することになっており、そこで使用する予定である。
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Research Products
(8 results)