2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト震災社会の社会的多様性と宗教に関する国際比較研究
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25300021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐島 隆 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40192596)
何 燕生 郡山女子大学短期大学部, 文化学科, 教授 (00292186)
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00305400)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 災害 / 宗教 / マイノリティ / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度には6月28日に全体での成果報告会をおこない昨年度の成果報告と今年度の研究方針について話し合った。具体的には西スマトラ地震(西川慧)、スマトラ沖地震・ジョグジャカルタ地震(木村敏明)、四川地震(何燕生)、トルコ北西地震(佐島隆)について地震後の宗教間バランスの変動や埋葬慰霊の問題を中心に発表と討論がおこなわれた。その結果各所において震災が社会における宗教のありかたに影響を与えていることが分かり、その実態をより具体的に明らかにすることが今年度の課題であることが確認された。 以上の課題を遂行するため、2014年度もそれぞれの分担ごとに資料調査や情報収集活動をおこなった。とりわけ当該年度は、各地の宗教的変化をマクロな形で示すことが出来る統計資料の収集に力を入れて国内外で調査をおこなった。その結果、地域によって濃淡はあるが、宗教施設数や宗教学校数、イスラームの犠牲獣の数、メッカ巡礼者の数などについて被災地域の統計を収集することができ、目下その分析をおこなっている。また、これらのマクロな変動の背後にある動きについて、聞き取りや新聞調査などをおこなうことで明らかにすることを試みている。 海外機関との連携に関しては、11月18日から19日にかけてインドネシアのジョグジャカルタにおいて、ガジャマダ大学の宗教学文化間研究センターとの連携のもとワークショップ“Disaster, Rehabilitation and Religious Culture”を開催し、日本から本科研のメンバー2名を含む3名、インドネシアから4名、オランダから1名の発表と討論がおこなわれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地における調査、協力体制の構築ともにおおむね順調に進んでいる。とりわけインドネシアではガジャマダ大学とのワークショップを実現し、現地との協力体制を確立させることができた。また、四川大学に関しても密接に連絡を取り合い、2015年度以降にワークショップを行う予定を立てるなど協力体制は固まりつつあるといえる。ただし、トルコそして中国でも、前年度より一層、宗教をめぐる問題が政治的に微妙な問題となりつつあり、今後も情勢に注意を払いながらもし必要であれば研究計画の練り直しが必要となる局面も予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
各地でこれまでに構築した現地社会や機関との協力・信頼関係を基盤にしながら、2015年度にはそれぞれの社会における震災後の宗教変動の社会的背景を調査を通して探っていく。また、東日本大震災の事例も視野に入れたワークショプを四川大学でおこなう。
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Causes of Carryover |
四川大学におけるワークショップが当初計画とは異なり、2015年度にずれこんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際ワークショップにおいて使用する。
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Research Products
(16 results)