• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Annual Research Report

クラスキノ土城を中心とする沿海州渤海土城の考古学的研究

Research Project

Project/Area Number 25300039
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

清水 信行  青山学院大学, 文学部, 教授 (00178980)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords国際研究者交流 / 沿海州 / 渤海土城 / クラスキノ土城 / 発掘調査
Outline of Annual Research Achievements

当初、予定していたロシア沿海州クラスキノ土城の発掘調査は、共同研究の相手であるロシア科学アカデミー極東支部極東諸民族歴史学・考古学・民族学研究所側の不当な発掘費用の請求により、共同研究の協定書の作成が出来ず、2013年度の調査をすることが出来なかった。このため、中国における渤海遺跡の発掘調査報告の内容を精査、検討することに力を注いだ。また、沖縄本島のグスク踏査(今帰仁城、座喜味城、勝連城、中城、玉城城、糸数城、知念城など)を行い、特に城壁の構造、立地などに着目しながら、渤海土城との共通点を観察した。また、これまでのクラスキノ土城や沿海州の渤海遺跡の調査で得られた遺物、特に瓦類についての知見を基にまとめた「沿海州渤海遺跡出土瓦についての一考察」『論集 沿海州渤海古城 クラスキノ古城の機能と性格』清水信行 監修 2013年3月 を材料として『軒瓦文様の伝播―唐から東へ―』と題して公益財団法人東洋文庫の『東洋学講座』(於、東洋文庫講演室、2013年6月28日)で講演を行った。その要旨については『東洋學報』第95巻 2013 益財団法人洋文庫 2號(p61~63) に掲載済みである。
2013年度のクラスキノ土城の発掘調査が出来なかったことは予定外であったが、これまでの研究成果を精査・検討できたことは有意義であった。また、科学研究費の繰り越し申請にご配慮、承認いただけたため、後の研究を継続することが出来ることになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の調査は、クラスキノ土城東門の甕城内で検出された瓦敷き道路状遺構の全容を明らかにすることを主な目的としていた。このため、甕城内に設けた発掘区C区とE区の間に設けた土層観察用の土手を取り払い、道路状遺構の全容を検出した。以前の土層観察で道路状遺構の舗装面が2面あることを確認していたが、この作業の過程で、砂と小石で舗装した面が瓦敷きの舗装面の上にあり、その範囲が瓦敷き面よりも若干広いことを明らかにできた。また、瓦敷き舗装面の範囲も明らかにし、この遺構が甕城の外門の方向に伸びていることを確認した。土層観察用の土手をはずした後、城内への入り口にこれを横断する形に設けた土層観察面の精査を行い、土層図を作成し、写真撮影を行った。今回の調査では甕城内門(土城内に入る城壁本体の入り口)の南側の城壁本体の基底部にサブトレンチを設け、その基底部まで掘り下げることが出来た。このサブトレンチ内の最下層から板状木製品と白磁片、木炭片を検出した。これらの遺物はこの城壁本体が築造された時期を決定する根拠になりうるため、今回の調査の重要な成果であった。
今回の調査では出来れば入り口部の土層観察用ベルトも掘り下げ、南側城壁本体の北面を検出し、甕城の内門の全容を明らかにする予定であったが、時間的余裕がなく、調査を終了した。

Strategy for Future Research Activity

甕城の内門に設けたセクションベルトをはずし、この甕城内門の全容を明らかにする計画であったがその作業が残っている。また、瓦敷き道路状遺構が土城内でどのような方向に向かっているかも確認する予定である。調査の後に、ロシア研究者を招請し、その年のロシア側の調査についての成果や他の遺跡の調査について研究報告会を行っている。今後もそのような研究報告会を兼ねたシンポジウム『渤海を掘る』を開催し、日本の他の渤海研究者と共に、知見を広げ、研究を深めていく予定である。

Causes of Carryover

調査期間内に、計画していた発掘調査を終了することが出来なかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の発掘調査及びロシア研究者招請の費用として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 軒瓦文様の伝播-唐から東へ-2013

    • Author(s)
      清水信行
    • Journal Title

      東洋學報

      Volume: 95-2 Pages: 61,63

  • [Presentation] 軒瓦文様の伝播-唐から東へ-2013

    • Author(s)
      清水信行
    • Organizer
      2013年度春期東洋学講座
    • Place of Presentation
      東洋文庫(東京都)
    • Year and Date
      2013-06-28
    • Invited

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi