2014 Fiscal Year Annual Research Report
春秋戦国期における燕国系遺物の年代と産地に関する研究
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25300043
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| Research Institution | Nara University |
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Principal Investigator |
小林 青樹 奈良大学, 文学部, 教授 (30284053)
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2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 春秋戦国期 / 燕国 / 年代 / 産地 / 中国 / 鋳造鉄器 / 土器 / 青銅器 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、春秋戦国期における燕国の鋳造鉄器を中心とした燕国系遺物について、まず燕国の中心地であった河北省において各種遺物の基礎的な型式学的、技術的な検討と年代を明らかにするのが目的である。その上で、紀元前6世紀以降、この燕国系遺物が拡散した東方の諸地域(遼寧・韓半島・日本)において、燕国系とされる遺物の産地(燕国産かその影響を受けた燕国か)と年代を確定するのが目的である。2013年度に河北省において、燕国の資料調査を実施した際に、燕国以外の戦国時代の諸侯、たとえば中山国、趙国についても燕国に匹敵する鋳造鉄器生産が行われていたことが判明した。また、調査を行った資料は少ないが、本年度、広島大学の鉄器研究グループの協力を得て、技術的な視点での検討を深めるため、燕国と同時期の鉄器生産についての検討を行った。その結果、鉄器と青銅器を同所で生産していることが明らかになり、この方式が燕国とその他の国々においても共通していることが判明した。この結果は、日本中国考古学会の2014年度大会において発表した。こうした鉄器の生産方式と燕国と類似した鉄器生産は、さらに山東半島の斉国でも存在することが予想され、本年度現地調査を実行する予定であったが実現できず、諸事情により次年度に持ち越しとなった。しかし、国内での調査は、前倒しすることにより、燕国系遺物の調査を進め、燕国系遺物の流入時期と弥生文化内での普及の時期などについての新たな知見を得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査については、本年度の分は、次年度に持ち越ししたものの、すでに現地との調整は終了しており、引き続き次年度の調査と合わせて予定通り実行する。また、国内での調査は、予定よりも早く進んでおり、今年度にそれらの成果をまとめて発表する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究は、すでに出土し、知られている資料の検討が中心であり、写真撮影と実測作業が主とした研究方法である。今後は、鉄器については科学的分析の結果も考慮し、より客観的なデータの収集に努める。また、燕国系遺物は、東アジアの広い範囲に拡がっており、それらの資料についても収集を進め、本研究を東アジアの広範囲な研究の舞台へと拡大できるようにする。
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| Causes of Carryover |
2014年度、山東半島における燕国系遺物と同時期の資料が存在すると考えられる戦国時代の諸侯国である斉国の資料調査を実施する予定であったが、中国側の都合から資料の閲覧が次年度に持ち越しとなり、これにより次年度使用額がそのまま中国への外国旅費として持ち越しとなった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
持ち越しとなった次年度(2015年度)は、本年第1回目の調査として、山東省(山東省文物考古研究所、山東省博物館など)において10日間程度の現地調査を実施する。調査参加者は、研究代表者の他、本研究の研究協力として宮本一夫(九州大学)・古瀬清秀(広島大学)・ 野島永(広島大学)・新里貴之(鹿児島大学)・石川岳彦(國學院大學)、以上５名とともに実施する。次年度使用額において、修正する点は以上である。なお、第2回目の中国における現地調査及び国内での調査については、当初の予定通り、2015年度の交付申請通りに実行する。
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